
今回は昨年管理馬ウインブライトが海外G1を連覇、2019年度JRA賞で最優秀4歳以上牡馬にも選出された畠山吉宏調教師にお越しいただきました。
海外G1連覇

キャプテン渡辺(以下、渡辺):今回は昨年暮れに香港カップを勝利され、2019年度JRA賞最優秀4歳以上牡馬にも選ばれたウインブライトを管理する畠山吉宏調教師にお越しいただきました。
畠山吉宏 調教師(以下、畠山):よろしくお願いします。
渡辺:中山馬主協会サイトやテレビのウイニング競馬でいろいろな調教師にインタビューしているのですが、畠山調教師へのインタビューは初めてですね。
畠山:そうですね。テレビとか華やかな世界とは無縁でしたから(笑)。
渡辺:いえいえ、ウインブライトで海外G1連覇は快挙ですよ。まずは昨年末の香港カップ勝利の感想からお聞かせいただけますか。
畠山:嬉しいのひと言ですね。秋二走が不本意だったので、ようやく調子が戻ってきて勝ててホッとしている部分も大きいです。
渡辺:いまでも覚えているんですが、松岡騎手が皐月賞前に「この馬は凄い!」って大絶賛していたんですよ。
畠山:そうなんですか? それってテレビ向けのコメントじゃないかなぁ...。ボクに対しては当時ウインブライトへの評価は辛口でしたよ。
渡辺:前哨戦のスプリングステークスを勝ったじゃないですか。クラシックで走りそうな期待感も高かったと思うんですが...。
畠山:ですよね。ボクも重賞勝ってるんだからと思ってたんですが、松岡からは後ろがまだ緩いとか、芯がまだ足りないとか、そんな感じのコメントでしたね。裏返せば、しっかり成長してくれれば、G1馬になるという期待も含めてとは思いますけどね。
渡辺:ウインブライトの場合、3歳クラシック戦線で皐月賞8着、ダービー15着、4歳は中山記念を勝ったとはいえ大阪杯12着、富士ステークス10着、マイルチャンピオンシップ9着でした。
畠山:最初のころはクラスが上がっても、G1のトップレベルが相手となると現状の壁があると思ってました。松岡もまだまだ馬が緩くて完成は古馬になってからと言ってましたし、焦りはなかったですよ。
2020年のウインブライト

渡辺:期待に応えてようやくというか、馬もベテランの域に入ってようやく覚醒しましたね。中山金杯から3連勝で海外G1制覇は見事でした。
畠山:昨年、中山金杯、中山記念と勝っていい形で勢いが出たのもよかったですね。特に中山記念はG1馬も揃っていてメンバーも強かったですから、それを勝てたのは大きかったです。
渡辺:クイーンエリザベスII世カップでは、年度代表馬のリスグラシューを負かしてます。
畠山:ですよね。初の海外遠征でやってやるぞという挑戦者の気持ちで挑めたし、調子もいい状態で保っていけたのが結果につながったと思います。
渡辺:ただ馬券を買う側としては難しいんですよね。なかなか掴みどころが難しいというか...。国内に戻ってきて二桁着順で大敗したり。オールカマーでガッツリ馬券買っていたので、痛い思いをしました(笑)。
畠山:デビューからそんなところがある馬でしたね。ひとつ上のお姉さん(全姉ウインファビラス)が阪神ジュベナイルフィリーズや新潟2歳ステークスで2着でしたし、ウインブライト自身もデビュー前の調教で時計を出していたからこれは新馬戦から走るだろうと期待が膨らんでいたら、まさかの6着。掲示板にも入れずでした(笑)。
渡辺:距離やコース適性もあるのでしょうか。明け6歳ですけど、今年は去年以上の活躍に期待したいですね。
畠山:まずは中山記念が目標です。2年つづけて勝たせていただいてますし、コースも合っていると思うので結果を出して、次のプランをいい形で立てられたらと思ってます。
騎手に聞くキャプテン渡辺のここだけの話
- Q.調教師や騎手からよく「まだ馬が緩い」という表現を聞くんですが、どのあたりでそう感じるのですか?
- A.馬の乗り味ですね。(畠山調教師)
渡辺:走りそうな馬ってデビュー前から乗り味が違うものなのですか?
畠山:そうですね。でもどんなに走る馬でも若駒のときはまだ緩さがあるので、成長して力がついてくるかこないかは、2歳馬のときはまだ判断しにくいところがありますね。トレーニングやレースを重ねることで、芯が入ってきて力もついてくる馬もいれば、力がつかないまま勝てずに終わってしまう馬もいますから。
渡辺:才能がある馬でも開花しないで終わってしまうケースもある、ということですか?
畠山:期待はしますが、こればかりは何とも言えないですね。





























































