この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
今回のゲストは、お笑い芸人のカンニング竹山さんにお越しいただきました。
今回のインタビューは「Gate J. (東京・新橋)」で行いました。
競馬との出会い
キャプテン渡辺(以下、渡辺):今日は先輩芸人ということで、いつも以上に緊張してます。恐れ多いです。
カンニング竹山(以下、竹山):何をどうすればいいの?
渡辺:ボクが聞きますので、ざっくばらんにお願いします。散々聞かれているかと思いますが、竹山さんと競馬との出会いからお聞きしてもいいですか?
竹山:18歳の終わりくらいまで福岡に住んでいて、福岡には小倉競馬場があるけど住んでいたのは福岡市だったのもあり競馬とのつながりはそんなになくて。日曜日にテレビで競馬中継をしているのは知っていたけど、親の醸し出す雰囲気から、競馬は賭博場でそういうのはやっちゃいけないし、触れちゃいけないと思ってた。
渡辺:他のギャンブルはされてたんですか?
竹山:パチンコはしていたよ。バンバンお金を使ってた。でも競馬はしてなかった。
渡辺:そこから競馬と出会うのは、どういうきっかけだったのですか?
竹山:東京に出てきて、20歳くらいのときに先輩の元芸人さんから競馬に誘われてね。「一緒に行く予定だった知り合いがドタキャンしたからいっしょに行こうぜ」って府中に連れて行かれた。そうしたら競馬場を見て、価値観がガラッと変わったね。競馬場ってこんなに広いのかとまず驚いた。そして目の前をサラブレッドがド迫力で走っていくわけでしょ。こりゃすごいなってびっくりだよね。カルチャーショックだった。
渡辺:そのとき馬券は買われました?
竹山:馬券を買ってみたいと思ったけど、馬柱の見方すら知らなかったから。この数字は何とか、枠順とか、馬の名前とか、ひとつひとつ先輩に聞きながら覚えていって、競馬生活が始まった。
渡辺:競馬そのものに魅力を感じたわけですね。
竹山:競馬そのものだよね。府中に来れば競馬を見れると思って、それから毎週土日は競馬場に行くようになった。月曜日に『週刊Gallop』買って、火曜日はそれを読みながら反省。水曜日から調教が始まるので、水・木曜と調教を確認して。金曜から予想だよね。ほんとに競馬で1週間が回っていた。
借金して競馬をやらない
渡辺:それほど競馬づくしだと、芸人活動にも支障をきたしそうですね。
竹山:そのころは芸人活動なんてやらずに、ひたすら遊んでた。借金も増えていったのもそのころだったし。だけどね、唯一自慢できるのは借金して競馬をしなかったこと。競馬に行くときに知り合いからお金を借りて競馬に行くことは絶対にしなかった。他のギャンブルは借金しながらしてたけど、借金して競馬をやらないという自分の中のルールがあったの。
渡辺:それはなぜですか?
竹山:競馬と離れちゃうから。借金しながら博打として競馬をすると、競馬と一生付き合えなくなる気がしたの。大好きなものと一生付き合うのであれば、無理せずに借金をしない。それはいままでも続けているし、そのおかげでいまでも競馬をしてこれてる。
渡辺:なるほど。
竹山:ときには熱くなって何万円も投じるレースもあるけど、でも馬券を買うときは無理しない範囲で買うようにしてる。
渡辺:ボクにとって競馬はお金が目的なので、そういう意味ではギャンブルとして競馬を見ているかも。
竹山:そりゃ、お金は欲しいよ。でも競馬とはずーっと付き合っていたいからそうしてる。ちょうど競馬を始めて何年かして出会ったのが、浅田次郎先生の『競馬どんぶり』で。オレの言わば教科書なんだけど、競馬と付き合い方が全部この本には書いてあるわけ。競馬に使うのは自分の収入から何%だとか。それを頑なに守っていて、だからいまでも競馬とはよい関係で付き合っていけてる。
渡辺:ピュアですね。
竹山:あと競馬関係者とも仲良くなったりしないですね。木梨憲武さんつながりで武豊騎手とはたまにご飯に食べたりするけど、武騎手といっしょに食事するときはまず競馬の話はしないね。
渡辺:えーっ、せっかくレースの話を聞けるチャンスなのに何かもったいないような。
竹山:オレはいち競馬ファンだから。競馬ファンが芸能人だからといって、中に入って関係者と仲良くなるのがイヤ。純粋に競馬を楽しめなくなるでしょ。いつまでも競馬場で馬券を買って、負けたときに「馬鹿野郎」と言えるファンでいたいから。仲良くなっちゃうと、変に肩入れして応援しちゃうし。プロ野球だとソフトバンクホークスが好きなんだけど、その関係者とも中に入らないようにしている。好きなものは、いちファンとして楽しみつづけたいからね。
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