今回のゲストは、7週連続勝利に重賞初騎乗初制覇と大活躍中の今村聖奈騎手です。今年3月にデビューしたばかりの今村騎手にキャプテンが切り込みます。
※ インタビューは、オンラインで行いました。
7週連続勝利、重賞初騎乗初制覇
キャプテン渡辺(以下、渡辺):今回は新人女性ジョッキーの今村聖奈騎手にお越しいただきました。7週連続勝利にJRA女性ジョッキー・デビュー年での年間最多勝記録、大活躍ですね!
今村聖奈騎手(以下、今村):ありがとうございます。そう言っていただけるとありがたいです。
渡辺:騎手デビューが今年3月。初めてレースを体験したときの感想はいかがでした?
今村:2場開催にも関わらず10鞍乗せていただいたんですけど1つも勝てなくって、せっかく何年も夢を追いかけて、たくさんの人に支えられて、悩みも乗り越えて騎手になったのに、こんなにもプロの世界は厳しくて苦しいのかって思いました。
渡辺:それでも翌週にはブラビオで初勝利。早い勝ち上がりじゃないですか。
今村:同期では大河(角田大河騎手)についで2番目ですね。初勝利したときはすごく励みになったし、人気がなかった馬で勝てたことで馬に勇気を与えてもらった感じがしました。競馬学校のときからお世話になっていた寺島厩舎で勝てたことも、すごく嬉しかったです。
渡辺:レースで勝つための自分なりの工夫などはされているのですか?
今村:3月に4勝したけど4月は1回も勝てなかったんです。今の自分には何が足りないのか、以前と何が違うのか、何回も何回もレース映像を観たり、先輩ジョッキーへアドバイスを求めたりしました。中でも福永祐一さんにはたくさん教えていただき、いまの自分は何ができて何ができないかを明確に判断できるようになったことが大きいですね。
渡辺:5月の新潟では9勝しましたね。
今村:新潟競馬場はトリッキーなコースって言われてるし、自分でも乗ったことがない競馬場だからここが勝負だなと思って開催前から新潟に腰を据えようって決めてました。最初の週で2勝できて、勝つことでいい馬に乗せてもらう機会も増えたし、普段接することが少ない関東馬ともつながりができたことも自分にはプラスでした。新潟開催は自信をつかめるきっかけにもなりましたね。
騎手を目指そうと思ったきっかけ
渡辺:お父さんが元騎手で現在は調教助手ですよね。
今村:はい。生まれたときから馬は身近な存在でしたね。
渡辺:競馬の世界に興味を持つようになったのはいつ頃ですか?
今村:小学校4、5年生のときです。父が調教助手になってすぐに携わったメイショウマンボがオークス制覇して、鞍上の武幸四郎騎手が再びG1の舞台で活躍されたこともあり、競馬にはこういう魅力的なストーリーがあるんだなぁって感じました。
渡辺:オークス、秋華賞、エリザベス女王杯と3つのG1を勝った馬ですね。最初から騎手になろうと思われたんですか?
今村:父が調教助手なので、最初は私も馬に携わりたいなと思ってました。小学校5年生から馬に乗り始めて、ジョッキーベイビーズや草競馬に出て、負けたときの悔しさや勝ったときの嬉しさを味わって、ジョッキーになりたいと思うようになりました。私が小学校から中学生になるとき栗東に異動で来られた先生に、騎手か乗馬かどちらか決めなさいって言われて、騎手になろうって決意しました。
渡辺:ジョッキーって危険な仕事じゃないですか。ご両親の反応はいかがでした?
今村:お母さんは自分のやりたいことをしなさいという感じでした。でも、父はいい返事してくれなかったですね。
渡辺:親としては心配ですものね。
今村:同期の大河(角田)と友雅(大久保)にも相談して決めたことだし、私は馬に乗ることが本当に好きなので、そのことを父に話したら最終的にはすごくバックアップしてくれました。父へは本当に感謝してます。
騎手に聞くキャプテン渡辺のここだけの話
- Q.賞金の使い道はどうされているのですか?
- A.貯金できるうちに貯金しておこうって思ってます(笑)。(今村騎手)
渡辺:小学校や中学生の同級生と比べたら、賞金でもらえる額は飛び抜けてますよね。どんなことに使っているのですか?
今村:趣味があまりないので、お金を使い込むことはないですね。私をここまで育ててくれるまでお金がかかっていると思うので、恩返しの気持ちで、母の誕生日や父の日にプレゼント買ったりしています。
渡辺:同級生とはいまでも交流あるのですか?
今村:たまに地元の同級生と焼き肉食べに行ったりしてます。
渡辺:友達と違いを感じることはありますか?
今村:私の方が先に社会人として仕事もしていて、周りの友達はまだこれから何をするか考える人も多いので、そこでの違いは感じます。私は早い段階で自分がしたいことを見つかったのは幸せだなって思いますね。