海外だより
新しい楽しみ〝日欧スピード対決〟
ヨーロッパを代表する大一番「キングジョージ6世&クイーンエリザベスS」の勝ち馬で、騙馬ゆえに凱旋門賞出走がかなわなかったゴリアットが、〝パリの仇は東京で〟とばかりに、オーナーご自身が先頭に立って積極的で姿勢を見せて興味深い話題を呼んでいます。もちろん〝日本競馬の至宝〟ディープインパクトのラストクロップであるオーギュストロダンの来日が、ファンへの最高のプレゼントであるのは言を待ちません。ドイツからの刺客ファンタスティックムーンも侮れない実力とヒーロー性を備えた一流馬です。久しぶりにジャパンCが国際的にも大きな波を引き起こしてくれそうです。
ジャパンCだけではなく、今週行われるマイルチャンピオンシップに出走のイギリス調教馬チャリンも、ジャパンC組に遜色ない実績とネームヴァリューを備えた超一流馬です。今シーズンに入って7戦5勝2着2回と馬券的にはパーフェクトな蹄跡、G1も3勝と文句なしのレベルの高さです。堅良馬場から重馬場までコースコンディションを問わず堅実に走り、特筆すべきは欧州育ちのウィークポイントと言われて来た〝高速馬場〟であっても能力を出し切れる馬であり、懐の深さを感じさせます。この夏のマイル頂上戦ジャックルマロワ賞で1分33秒98と史上3番目のスピード決着を制したのはご承知の通りです。仏2000ギニーを勝った若武者メトロポリタン、胸にG1金メダル6個の勲章を輝かせ当のジャックルマロワ賞を連覇中の女傑インスパイラルなどを3馬身+アタマと圧倒しての勝利は、まさに〝欧州最強のマイル王〟の貫録でした。マイル33秒台は、日本では新馬や未勝利戦でも珍しくない時計ですが、重厚さが売り物のヨーロッパでは希少な〝異次元〟の記録となります。チャリンを凌ぐ先例はたった2例しかありません。
BCマイル3連覇などフランスが世界に誇る名マイラー・ゴディルコヴァと稲妻のような瞬発力でヨーロッパを席巻したムーンライトクラウドの2頭だけ。ともに切れ味を信条とする牝馬で、斤量的なアドバンテージもありました。前者は騎手として歴史的名牝ミエスクの手綱を執ったフレディ・ヘッド調教師が「ミエスクを超えた」と認めたポテンシャルの持ち主でした。後者はヨーロッパ競馬には特異な瞬発力でスプリントとマイルでゴルディコヴァに並ぶ6つの金メダルを奪取しています。スプリンターとして鳴らしたインヴィンシブルスピリットの血ですが、この血統からは翌年に代表産駒キングマンが、最近ではキングマンの最高傑作パレスピアがジャックルマロワ賞連覇を達成しています。チャリンは母父にコディアックの血を抱えていますが、彼はインヴィンシブルスピリットの半弟という良血で、仕上がり早く2歳戦に抜群に強い種牡馬として定評がありますが、年を経て最近は3歳以降も活躍する成長力を発揮しています。チャリンには、その血がしっかり伝えられているのでしょう。たまたま計測された33秒台ではなく、血統的な裏付けもある確かな資質だと思います。これまでヨーロッパ勢には感じられなかった〝スピード競馬〟での真っ向勝負を見せてほしいものです。その意味でも、ぜひ良馬場でぶつかり合ってくれると楽しさも増すのですが。
ジャパンCだけではなく、今週行われるマイルチャンピオンシップに出走のイギリス調教馬チャリンも、ジャパンC組に遜色ない実績とネームヴァリューを備えた超一流馬です。今シーズンに入って7戦5勝2着2回と馬券的にはパーフェクトな蹄跡、G1も3勝と文句なしのレベルの高さです。堅良馬場から重馬場までコースコンディションを問わず堅実に走り、特筆すべきは欧州育ちのウィークポイントと言われて来た〝高速馬場〟であっても能力を出し切れる馬であり、懐の深さを感じさせます。この夏のマイル頂上戦ジャックルマロワ賞で1分33秒98と史上3番目のスピード決着を制したのはご承知の通りです。仏2000ギニーを勝った若武者メトロポリタン、胸にG1金メダル6個の勲章を輝かせ当のジャックルマロワ賞を連覇中の女傑インスパイラルなどを3馬身+アタマと圧倒しての勝利は、まさに〝欧州最強のマイル王〟の貫録でした。マイル33秒台は、日本では新馬や未勝利戦でも珍しくない時計ですが、重厚さが売り物のヨーロッパでは希少な〝異次元〟の記録となります。チャリンを凌ぐ先例はたった2例しかありません。
BCマイル3連覇などフランスが世界に誇る名マイラー・ゴディルコヴァと稲妻のような瞬発力でヨーロッパを席巻したムーンライトクラウドの2頭だけ。ともに切れ味を信条とする牝馬で、斤量的なアドバンテージもありました。前者は騎手として歴史的名牝ミエスクの手綱を執ったフレディ・ヘッド調教師が「ミエスクを超えた」と認めたポテンシャルの持ち主でした。後者はヨーロッパ競馬には特異な瞬発力でスプリントとマイルでゴルディコヴァに並ぶ6つの金メダルを奪取しています。スプリンターとして鳴らしたインヴィンシブルスピリットの血ですが、この血統からは翌年に代表産駒キングマンが、最近ではキングマンの最高傑作パレスピアがジャックルマロワ賞連覇を達成しています。チャリンは母父にコディアックの血を抱えていますが、彼はインヴィンシブルスピリットの半弟という良血で、仕上がり早く2歳戦に抜群に強い種牡馬として定評がありますが、年を経て最近は3歳以降も活躍する成長力を発揮しています。チャリンには、その血がしっかり伝えられているのでしょう。たまたま計測された33秒台ではなく、血統的な裏付けもある確かな資質だと思います。これまでヨーロッパ勢には感じられなかった〝スピード競馬〟での真っ向勝負を見せてほしいものです。その意味でも、ぜひ良馬場でぶつかり合ってくれると楽しさも増すのですが。