この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
今回は国枝栄調教師にお越しいただきました。昨年は管理するアーモンドアイが牝馬三冠にジャパンカップ制覇。アーモンドアイへの2019年の期待などを伺いました。
アーモンドアイの2019年
キャプテン渡辺(以下、渡辺):先生どうも。今日は先生の生い立ちから伺おうかと思ってやってきました。
国枝栄調教師(以下、国枝):生い立ちからって、オレ、もう60過ぎだよ。忘れちゃってるよ(笑)。
渡辺:それは冗談として、アーモンドアイのJRA賞受賞おめでとうございます。年度代表馬に最優秀3歳牝馬受賞のお気持ちからお聞かせいただけますか?
国枝:あれだけ凄い馬を無事に1年間使いつづけることができて、どのレースでも期待通りの走りができたので、まずはホッとしてますよ。
渡辺:次走は3月のドバイターフに決まりました。
国枝:いままで国内で走ってきて、次は違うところだからね。楽しみだね。
渡辺:初の海外ですが、精神的に不安はないですか?
国枝:オレの不安を言えばいいの?
渡辺:いやいや、アーモンドアイのですよ(笑)。先生の不安でもいいんですが(笑)。
国枝:アーモンドアイに関して言えば、大丈夫だと思いますよ。これまでパドックで気持ちが高ぶっていても、あれだけの結果を残してきたからね。
渡辺:表現しにくいかもですが、他の馬と比べてアーモンドアイが違うところはどこですか?
国枝:トータルというか。馬として強い馬はこうあるべきという理想に限りなく近いといえば近いかな。
渡辺:それは気性も含めてですか?
国枝:そう。メンタル部分も含めて。当然無事に走り続けられるというのも強みのひとつだよね。
渡辺:ドバイの先には凱旋門賞も控えてますね。
国枝:それはね、まずひとつひとつ積み上げていってだよ。
渡辺:ファンはどうしても気が早くて(笑)。凱旋門賞ではフランスの馬場もひとつのポイントになると思いますがいかがでしょうか?
国枝:いろんな懸念材料はあるけど、日本の馬が過去2着に何度も来ているわけだし、フランス競馬に熟知しているルメールが大丈夫と言ってるんだから、こなしてくれるとは思いますよ。
渡辺:それにはまずドバイを勝つことですね。
国枝:そうだね。
2度の牝馬三冠
渡辺:それにしても先生が凄いのは、アパパネにアーモンドアイと、2頭の牝馬三冠馬を手がけていることですよね。
国枝:それは馬が優れていたのと、オーナーに恵まれていたからですよ。
渡辺:いやいや。アパパネといえば、その数年前にNHKマイルカップでアパパネと同じ勝負服のピンクカメオを1着にもってきてるじゃないですか。3連単で970万円以上ついて。そういう実績の積み重ねがあったからこそですよ。
国枝:ありがたいことですね。
渡辺:G1も複数勝たれてますが、アパパネ、アーモンドアイ以外のG1馬も含めて一番印象に残っているレースはどのレースですか?
国枝:それぞれに思い出はありますよ。アパパネのオークスでの同着とかもそうだし。
渡辺:G1でしかもクラシックで同着なんて、前例がない出来事でした。
国枝:それから有馬記念を勝ったマツリダゴッホなんて、面白い馬だったね。その先のAJCCをより強く意識してたらグランプリを勝っちゃった。
渡辺:あはは(笑)。ダイワスカーレットや、メイショウサムソン、ウオッカを破っての有馬記念制覇ですから、すごいですよ。
国枝:人気もなかったのにね。
渡辺:でも国枝調教師って牡馬クラシックだとダービーはまだとられてないんですよね。
国枝:ダービーはとりたいね。ダービートレーナーの肩書きあるだけで、この業界以外でも違ってくるからダービートレーナーにはなりたいですよ。
渡辺:調教師としての一番の目標と聞かれたら、やっぱりダービーですか?
国枝:そうだね。うん。目標はダービートレーナーということで、以上、おしまい(笑)。
渡辺:いえいえいえ。まだまだインタビューはつづきます(笑)。