この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
DMMドリームクラブ 野本取締役へのインタビュー2回目は、クラブ法人を始めたきっかけを中心にお話を伺いました。
クラブ法人を始めようと思ったきっかけ
渡辺:DMM BANUSYは2017年にスタートが切られました。今でも覚えているのですが、ネットビジネスに長けているDMMがクラブ法人を始める、しかもディープインパクト産駒の超良血馬もラインナップに揃え、1万円から一口で購入できるなどなど、業界内外にも相当なインパクトを与えましたよね。
野本:こういうサービスが今までになかったことも、注目された要因のひとつかと思っています。
渡辺:もともと野本さんご自身も一口馬主をされていたりしたのですか?
野本:いえ、私はそれまで一口馬主をしたことはありませんでした。
渡辺:それは意外でした。一口は持っていないけど、以前からの熱烈な競馬ファンだったりとかですか?
野本:そこまで熱狂的なファンではなかったですね。競馬を最初に見たのはメジロマックイーンが現役時代のころでしたけど、当時は今より競馬がメジャーでしたし、特にコアなファンというわけではなかったです。
渡辺:だとすると、クラブ法人を始めようと思われたのはどういうきっかけからですか?
野本:個人馬主を長年つづけている友人と一緒に食事していたときに、友人が自分の馬が土日で8レース出るからと言ってスマートフォンに送られてくる情報を見ながら、馬のことを話していたんですね。
渡辺:まるでリアルなダビスタですね(笑)。
野本:その友人はずっと馬主をつづけているから、馬を何頭も所有していて毎週のように自分の馬がレースに出ている。私はそういう経験をしたことがないからとても新鮮でしたし、それを多くの方に提供できないかと考えました。
他のクラブへの対抗心は?
渡辺:でもそこからクラブ法人を始めようとはなかなか思いつかないと思うんですが...。
野本:友人に話を聞くと、投資効率としてはあまり良くないということで、それでも馬主を長くつづけられている方が多いとのことでした。
渡辺:北島三郎さんは馬主になられてから50年近くかけて、ようやくキタサンブラックと巡り逢っていますものね。
野本:ビジネスの観点でいくと、投資効率が期待できない事業はためらうのですが、逆転の発想で馬を持つということには利益や損得とは違う何かがあるのではないか、私はそれを体験していないしそれを多くの人に提供してみたい、そう思ってスタートをしたのがDMM BANUSYです。
渡辺:募集口数を1万口とびっくりするくらい増やして、一口あたりの金額を下げました。他のクラブ法人への対抗や価格破壊しようという狙いもあったのですか?
野本:それはないです。価格を下げることで、お客様が複数頭購入しやすい環境を提供しようとしたのが狙いでした。出走機会が多い方が良いと思ったので、極端な話、興味を持っていただいた方が、全頭を一口持てるような価格帯にしました。
渡辺:なるほど。どの馬を買うか迷うのではなく、全部買うという方法もありますね。
野本:他クラブ様よりも口数を多くして単価を低くし、より多くの方により多くの出走機会を提供することを目指しています。
渡辺:毎年全頭の一口買えば、所有馬も増えて、毎週どれかしらの馬が出走するというようなことにもなりそうですね。
野本:そういう体験を提供できれば理想ですね。
DMMドリームクラブ 野本取締役に聞くキャプテン渡辺のここだけの話
- Q.DMM BANUSYの企画はどのようにして社内で進んでいったのですか?
- A.まず会長に口頭で企画を説明しました。(野本取締役)
渡辺:企画を会長へプレゼンしたときの反応はいかがでしたか?
野本:こういうシステムはまだ見当たらないので面白そうということでしたね。