この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
DMMドリームクラブ 野本取締役へのインタビュー3回目。クラブ法人運営で難しいと感じることは? DMM BANUSYは儲かっているの? キャプテンが切り込みます。
クラブ法人運営で難しいと感じることは?
渡辺:DMM BANUSYは、1年目は北野武さん命名で話題になったキタノコマンドールがクラシック出走、2年目はラヴズオンリーユーでオークス制覇ですから、競馬ビジネスとしては順調な滑り出しではないでしょうか?
野本:競走成績としてはとても幸運に恵まれたと思っていますが、まずは一口を持たれているユーザーへ満足を与えることと、それからビジネスですから利益を出していかないといけないので、成功と言える段階にはまだまだ遠いですね。変えていかないといけない部分はまだまだあります。
渡辺:クラブ法人をされていて、一番難しいと感じるのはどの部分ですか?
野本:初めての体験ばかりで、経験しながら勉強しています。
渡辺:ぶっちゃけた質問で恐縮ですが、DMM BANUSYは法人としての利益は出ているのですか?
野本:会員数は伸びているものの販売実績は当初思い描いていた数字には遠い、というのが本音です。まだまだですね。
渡辺:募集口数が1万口だと、仮に未勝利戦で5着だとしたら数十円の配当ということもあるわけですよね。そうなると、振り込み手数料の方が高いわけじゃないですか。それだけでも赤字だと思いますが。
野本:そこはDMMグループにDMM.com証券があることが強みになっています。
渡辺:といいますと?
野本:DMM BANUSYを始めるにあたっては、DMM.com証券で口座を開設していただきます。配当金の支払いは、DMM.com証券内の取引として口座へお支払するので手数料は発生しません。その点で、都度の配当金払いにおける支払い手数料は回避できています。
ゲームと現実との違い
渡辺:DMM BANUSY自体の利益がでていなくても、宣伝効果は大きいですよね。
野本:それはまったく考えていなかったです。宣伝のためにDMM BANUSYをしているわけではないですから。
渡辺:募集口数が多いと、満口になるまで逆に大変だったりしませんか?
野本:それは感じました。購入までのハードルを下げれば、皆さんたくさん購入されるのではそれこそ全部購入する方も多いのかと思ったのですが、そうではなかったですね。
渡辺:競馬ファンとすると、馬券を買うのと同じように一口購入するときも、どの馬を選べばどれだけ儲かるのだろうと考える方が多いとも思います。
野本:投資目的ではなく、馬により愛着を持ち応援できることがサービスの本質と説明してきましたが、まだ浸透しきれていないと思っています。
渡辺:DMM BANUSYは、ダビスタの延長といいますか、スマホゲームで課金するようなそれに似たイメージをボクは持ちましたが、その想定はありますか?
野本:スマホゲームへ課金する金銭幅は近いかもしれませんが、ダビスタをやるようなバーチャルな感覚とは違うと思っています。また、POGでは実際に馬に係るコストの負担をしていません。少額でも実際に競走馬ファンドを所有すると、その馬のコストの一部を負担しているわけですから、馬への愛情も違ってくると思いますね。
DMMドリームクラブ 野本取締役に聞くキャプテン渡辺のここだけの話
- Q.もし募集馬で満口にならなかった場合はどうなるのですか?
- A.DMM.com証券グループで引き受けます。(野本取締役)
渡辺:G1馬の場合、逆に満口にならずにDMMドリームクラブの所有が増えるほど利益が出たりしますか?
野本:お客様に利用してもらってこそのサービスですので、利益を出す、出さないという観点が最優先されるのではなく、会社として満口を可能な限り増やして多くの会員に喜びを共有してもらうことのほうが望ましいですね。