この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
萩原調教師へのインタビュー。4回目は、今後の目標などについてお話を伺いました。
喜びを感じるとき
渡辺:今年の2歳世代が入厩してくる時期かと思いますが、レースに出られるまでは苦労されますか?
萩原:以前ほどではないですが、馬がレースに出られるまでは気を遣う部分は多くあります。脚元もまだ固まっていませんから、調教で強い負荷はかけられないですし、馬によってはレースへ向けて時間をかけて少しずつ進んでいくケースもあります。
渡辺:萩原調教師がこの世界に入られたころと、いまとでは2歳馬の質は変わってきていますか?
萩原:素質も高くなっていると思います。パドックに出ている馬の状態を見ても、10年前と比べると全然違います。
渡辺:昔の新馬戦はまだまだの馬ばかりだったという話も聞いたことがあります。
萩原:馬の素質だけでなく、状態も以前と比べたら今のほうがレベルは高いと思います。それだけ馬を取り巻く環境が以前よりもよくなっているのだと思います。
渡辺:調教師をしていて喜びに感じるときはどんなときですか?
萩原:パッとは出てこないのですが、朝、厩舎に行くと落ち着きますから、そういう意味では馬と接しているときとなるのでしょうか...。
渡辺:G1勝ったときはいかがですか?
萩原:もっと喜ばないといけないのでしょうけど、むしろ馬が良くなってきたり、それこそ従業員が成長したりすることの方が嬉しいですし、やりがいを感じますね。
渡辺:そうなんですね。
萩原:馬をオーナーから預かっている立場になりますので、競馬の勝ち負けも含め、オーナーから感謝されるのが調教師として喜ばしいことだと思います。
馬をもっとわかりたい
渡辺:まだ先ですが、引退後や老後はこうしたいなどございますか?
萩原:老後はない方がいいですね(笑)。ひたすら仕事しつづけるのが私の理想です。
渡辺:調教師としての今後の目標をお聞かせいただけますか?
萩原:馬のことをもっと知りたいと思っています。馬の知識や、馬を見る視点、馬を把握する能力など、馬という生物を理解して、1頭の馬を見て感じるものを人よりも多く持ちたいと思っています。そうすることで、馬の能力を引き出し、レースで結果を残せるようにしていきたいと思っています。それが今のモチベーションとなっています。
渡辺:もっとG1を勝って賞金を得たいとかはどうですか?
萩原:それはないです。むしろ、大きなレースを勝つことによって、うちの厩舎に馬を預けたいと思っていただくことの方が大事だと思っています。いま預けていただいている馬の結果を出して、少しでも恩返しできればと思っています。
渡辺:なるほどです。今日はありがとうございました。
萩原清調教師へのインタビューは今回で終了です。次回は、大竹正博調教師へのインタビューです。