この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
加藤征弘調教師へのインタビュー。4回目は、ズバリ!調教師は楽しい?の質問に加藤調教師の答えは?
調教師は楽しい?
「いまなら間違いなくその選択しました(笑)」(加藤)
渡辺:そもそもなのですが、加藤調教師はどういう経緯で競馬の世界に入られたのですか?
加藤:祖父が横浜競馬場時代から馬主で、父も去年亡くなったんですが47年間エビスの冠で馬を使ってました。いまは兄が継いで3代目としてやってます。そういうわけで小さいときから競馬場には通ってましたよ(笑)。
渡辺:馬主になるという選択はなかったのですか?
加藤:いまだったら間違いなくその選択をしましたね。努力して企業を立ち上げて、馬主になることを選びますね。現場には入らなかったです。
渡辺:とはいっても調教師の仕事も楽しそうですが。
加藤:とにかく大変ですよ(笑)。競馬は外からするのが一番楽しいよ。
渡辺:一番先生を苦しめているのは何ですか? 言える範囲で構いませんけど(笑)。
加藤:なかなか思うようにならないことだね。レースひとつにしても、こっちが思った通りにはならないケースが圧倒的に多い。
渡辺:騎手に指示を出されたりする方ですか?
加藤:詳細に出しますよ。いまは競馬新聞に細かくデータが掲載されてるので、レース前からある程度の展開も読めますし。出走馬全頭の情報をおいかけていけば、出走馬の能力からしてどんなに頑張ってもこれ以上展開が速くならないとかわかるし。
渡辺:たしかに。
加藤:馬の性格も考慮してどれくらいの位置取り進めるかなど、指示を出しますね。レース中に前の馬がどいてスペースができたからといって内に入ったとしても、馬にとってはそれがストレスになっている場合もあるんですよ。前に馬をおいて落ち着かせたと思っているかもしれないけど、隣に別の馬がいるだけで嫌がるので、外はクリアーにしておいた方がよい馬もいますし。馬は正直だから、乗る騎手によってコロッと動きが変わったりすることもあるし(笑)。
調教師としての目標、これからの夢
渡辺:調教師として目標や夢みたいなものはありますか?
加藤:そうだね。それこそ調教師なりたてだったら、ここでG1・2つ、3つ勝ちたいとか言うんでしょうけど(笑)。
渡辺:調教師でリーディング目指すとかはどうですか?
加藤:いろいろ研究している調教師もいますよね。どうしたらトップジョッキーやいい馬を揃えて成績を出せるか、とか(笑)。私みたいに展開を読んで位置取り考えてとか泥臭いことせずに、とにかくいい人馬を揃える、みたいな(笑)。
渡辺:ボクは泥臭いの、好きですよ。
加藤:泥臭いのは大変なのよ(笑)。芸能界もそうかもしれないですが、早い段階で2つ、3つG1獲れる馬に当たるかどうかがその後を決めますね。1頭だけじゃだめで、立て続けにG1獲れれば、その後もドカーンといい馬が集まるんでしょうけど、ボクは開業してからG1獲るまで時間がかかったからね。
渡辺:馬を預ける馬主さんも、まずは成績を見ますものね。
人生で一番幸せな瞬間
渡辺:最後の質問なのですが、自分の人生で一番幸せな瞬間って何ですか?
加藤:いきなり突拍子もない質問だね(笑)。
渡辺:以前井森美幸さんに同じ質問をしたことがあって、朝シャワーを浴びたあとにスポーツ新聞を読んでいる瞬間と答えられたのが感動的だったので、それからいろいろな人に同じ質問をするようにしてまして。
加藤:真面目な話、毎日自力でお風呂に入れることは相当幸せだよね。亡くなった父が入院していたのを見ていたので、よけいそう感じますよ。今日もお風呂に自力で入れてよかったなーと。
渡辺:加藤調教師の幸せな瞬間は、お風呂に入るとき、ということで確定ですか(笑)。
加藤:あとはドンペリの一口目を飲むときかな(笑)。ま、それはともかくこれからもノンコノユメのようなG1馬を輩出できるようがんばります!
加藤調教師へのインタビューは今回で終了です。次回は、戸崎圭太騎手へのインタビューです。