山田弘オーナーへのインタビュー4回目の今回は、山田オーナーが考える馬主としてできる社会活動、馬主の醍醐味、競馬の楽しさをお聞きしました。
※ インタビューは、新型コロナウイルス感染予防のため三密を避け、ソーシャルディスタンスをとって行いました。
コロナ禍での馬主活動
渡辺:コロナ禍での馬主活動はどんな感じでしたか?
山田:いろいろと制限が入るのはやむを得ないけれども、馬主として自分の馬が走るのを見たいですし、勝てばウィナーズサークルでジョッキー、厩務員さん、調教師さんと一緒に写真に収まって御礼を言いたい、でもそういうのができないのは馬主としてつらい時期でしたね。
渡辺:大きいレース出るなら、なおさら現地で応援したいですものね。
山田:弥生賞を勝ったあとに知り合いから電話がかかってきても「いま、テレビでレース観てるんだよ」って。現地だったら愛馬を讃えたりできるのにそれができない。これはキツイよね。
渡辺:昨年後半から観客も入って、徐々に以前のような姿に戻りつつあります。
山田:中山馬主協会の会長さん、役員の方々のおかげもあり、いまは人数制限あるけど馬主席にも入れるようになって、これだけでも大きな喜びですよ。競馬場で馬の蹄鉄音を聞きながらレースを見て、声は出さないけれども、気持ちは嬉しいですよ。
渡辺:コロナ禍は競馬も含めて社会のあり方を見直すきっかけにもなりましたよね。馬主としてできる社会貢献もありそうですよね。
山田:私はその義務はあると思ってますよ。たとえば引退された角居勝彦元調教師がサンクスホースプロジェクトをされていて、そういう活動を支援させていただいてます。
渡辺:いま調べたら、サンクスホースって動物と触れ合うことでその人のストレスを軽減するホースセラピーや障がい者乗馬など、引退した馬の受け皿拡大の活動をされている事業なんですね。馬を社会に関わらせる場が増えるといいですよね。
山田:社会貢献なんていうと仰々しいけれども、我々も楽しみながら微力ですけど少しでもお役に立てられたらと思って参加していまし、こういう支援の輪が少しずつでも広がって行って欲しいですね。。
渡辺:あとは、馬と人が関わる機会が増えるといいですよね。
山田:そう思う。ニューヨークやロンドンだと騎馬警官がいたりするけど、日本だと馬と接する場が少ないじゃないですか。触れ合うには乗馬クラブに行かないといけなかったりしますからね。日本でも馬が社会に関わる、そんなシーンを増やしたいですよね。
渡辺:ボクは単純にペットとしても馬が飼いたい!自宅の庭にペットの馬がいたらすごく良いじゃないですか(笑)。
馬主としての醍醐味
渡辺:馬主としての醍醐味、競馬の楽しさってどこにあると思いますか?
山田:長く馬主をつづけてきて、たまたま私は思いがけなくGⅠ馬2頭も持たせていただきましたけど、なかなかそうはいかない。馬を買えても、せいぜい1年に1頭か2頭ですよ。それでも2000万円の馬が2億円の馬に勝っちゃうわけだから、そこが競馬のすごいところだなって思いますよ。
渡辺:POGしてるとわかりますが、2000万円の馬はそうそう走らないですよね。
山田:記憶にあるのは金子さんのカネヒキリくらいかな。ちょっと記憶にないくらい、普通は走らないのが多いですよ。私の馬だって値段はたいしたことないけど、それでもこうしてクラシックを勝たせていただけたわけだから、競馬って面白いなと思いますよ。
渡辺:もし5億円の馬を持てるとしたら持ってみたいですか?
山田:あははは(笑)。5億円の馬と隣に5億円のマンションがあったら、100人中99人はマンションを選ぶよ(笑)。5億円の馬を持ったら、私なんかはそれこそ毎日気が気じゃなくなっちゃうよ(笑)。
騎手に聞くキャプテン渡辺のここだけの話
- Q.もし10代、20代に戻れるとしたらどんな職業につきたいですか? 調教師、厩務員、ジョッキー、プロ野球選手でも何でもいいです。
- A.全部やってみたいね(山田 弘オーナー)
渡辺:全部!(笑)。
山田:どれかひとつと言われても困るけど、それぞれの職業で苦労もあるけれども、それぞれに面白さもある。お笑い芸人もやってみたいね。競馬のコメンテーター、楽しそうじゃない、テレビ観ていてそう思うよ。
渡辺:ボクは今、テレビの仕事をさせていただいているので、生まれ変わったら公務員とか会社員になってみたいですね。社内恋愛とか憧れるじゃないですか(笑) ジョッキーはどうですか? GⅠ勝てば脚光浴びますよ。
山田:やっぱりスターだからね。あ、だけど、減量があるから大変だよね。やっぱり芸人にしようかな(笑)。
渡辺:ボク、いま芸人ですが、芸人だけはやめた方がいいです(笑)。
山田 弘オーナーへのインタビューは今回で終了です。