この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
2018年度JRA賞最優秀障害騎手の五十嵐騎手にお越しいただいてのインタビュー。今回は今後の目標などをお聞きしました。
騎手として気持ちいい瞬間
渡辺:騎手として一番気持ちい瞬間ってありますか?
五十嵐:やっぱり勝ったときですね。
渡辺:レース中にスタンドの歓声とか聞こえるものですか?
五十嵐:聞こえますよ。大障害で飛越したあとのワーッという歓声とか。
渡辺:中山大障害や中山グランドジャンプの歓声は、また特別ですよね。
五十嵐:飛んでいる方としても気持ちいいです。昨年暮れの中山大障害でエルゼロで参加させていただいたんですが、後ろの方でしたけどレースをしていて面白かったです。
渡辺:障害競走って平地よりもレース時間も長いじゃないですか。レース中にジョッキー同士で話したりしているんですか?
五十嵐:一緒にいこうよとか、おいてかないで...とか(笑)。
渡辺:騎手にピンマイクつけてレースさせたいです(笑)。
五十嵐:ま、それは冗談として、初障害の馬は右に行ったり左に行ったり、逃げ道を探していてブレることが多いので、そうならないように馬を併せたり、勝負圏内でなくなっている馬だと次のレースのためにもぶれないように併せ馬で飛ばせてとか、そういう意味での会話はありますね。
渡辺:中山では年2回J・G1が行われますが、中山の障害コースって他の障害コースと比べて違いはありますか?
五十嵐:中山は馬のスキルが一番問われるコースですね。他の場所だと押し切って勝っちゃうこともあるですが、中山ではそれでは勝てないです。障害コースとしては一番乗りごたえのある競馬場ですね。ボクは中山の障害コースが好きで、勝ち星も挙げれてましたしわりと得意な方かなって自分では思ってます。
渡辺:話を伺っていると、五十嵐騎手って常に平常心という感じですよね。
五十嵐:喜怒哀楽が足りなくて、人間として何か足りないんじゃないと嫁に言われます(笑)。
渡辺:でも負けたらチクショウ!ってなりませんか?
五十嵐:そんなにイライラはしないですね。こうだからこうで、負けたんだなと普通に振り返ります。
渡辺:とはいえ、後輩騎手に邪魔されたら怒ることはあるでしょう?
五十嵐:少ないと思いますよ。騎手はみんな勝ちを目指して乗っているわけですから、たとえ邪魔されても次は気をつけてと思うくらいですね。
渡辺:常に前向きな感じがしますよね。
五十嵐:子供には、イライラしていても人生で損をするだけからイライラするなといつも言っています。負けても冷静に振り返って、次のレースを考えるようにしてますね。
今後の目標
渡辺:平地でも乗ってみたいというお気持ちはありますか?
五十嵐:ボクの場合、最初から障害に乗っていたこともあって障害レースがメインになりましたが、平地も乗せていただけるなら乗りたいですね。
渡辺:やっぱり平地でいきたいという想いはありますか?
五十嵐:障害競走の経験値もたくさん増え、強い馬をはじめチャンスがある馬にいっぱい乗せていただいているので、ある意味、障害競走で乗っていけてよかったなと思ってます。
渡辺:まだ当分先でしょうけど、引退後はどうしていきたいとか考えることはありますか?
五十嵐:うーん、何をするんでしょうね(笑)。
渡辺:調教師とかはどうですか?
五十嵐:人付き合いが得意な方ではないので、口下手なんですよ。緊張しますし、向いてないと思います。でも、そうなったときに調教師を目指そうと思ったら考えるかもしれないです。
渡辺:またはボートレースの予想家とか(笑)。
五十嵐:そうですね(笑)。
渡辺:最後に今後の目標をお聞かせいただけますか。
五十嵐:馬とのめぐり合わせだと思うんですが、勝てるときは逃さないように目指していきたいです。
渡辺:今日はありがとうございました。ぜひ今度、奥さんも交えて一卓よろしくお願いします!
五十嵐騎手へのインタビューは今回で終了です。次回は、萩原清調教師へのインタビューです。