この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
稲垣幸雄調教師、加藤士津八調教師へのインタビュー2回目。今回は、スタッフの決め方、調教スタイルなどを中心にお話を伺いました。
スタッフはどう決まる?
そんな素朴な質問にお二人は...
渡辺:厩舎を開業されるということは、いわば会社の社長ですよね。優秀な人材を集めれば業績もよくなると思うんですが、スタッフは最初から決まっているのですか?
稲垣:これから決まる形ですね。
渡辺:どういう風に決まるんですか?
稲垣:今年の解散厩舎のスタッフの方で、新規開業厩舎に配属されず、いま色々な厩舎に臨時で配属されているスタッフの方が何人かいるので、まずその人達が優先で配置されていきます。
渡辺:スタッフは選べるんですか?
加藤:決められた中から選ぶ感じですね。
稲垣:トレセンの中で自分が好きな人だけというわけにはいかないです。
加藤:人事にもルールや枠があるので、この人にお願いしたいと思ってもそうならないケースもありますし。
稲垣:調教助手は何人、厩務員は何人みたいにかかえる人数も決まってますから、自分が気に入った人だけを連れてくるということもできないです。
渡辺:互いに避けたい者同士でくっつけられたら、それはそれでやりにくそうですね。
加藤:決められた中から選ぶとはいえ、一人ずつ話し合って進めていくこともできるので、なるべくそうならないように決められていくとは思います。
稲垣:以前だと厩舎まるごと引き継ぎというパターンもありましたが、最近は解散した厩舎の中から選ぶということもできますし、融通が利くようになってますね。
レースで勝つためには
渡辺:新人調教師は今年関東で2名で、ぜひ関東には頑張ってほしいんですが、美浦と栗東を比べて違いなどはあるのですか?
稲垣:労働時間や内容は美浦とそれほど変わらないのですが、施設面で栗東の方がいい面もあります。調教スタイルは厩舎によって違うので、関東と関西というくくりでの違いはあまりないようには思いますね。
渡辺:人間性ではどうですか?
加藤:関西の人は商売上手というか、面白い方が多いですよね(笑)。
稲垣:日常の中に笑いがあるというか、自然に会話に溶け込んでいる感じはします。
渡辺:馬を集めるという意味では、それも重要な要素のひとつですよね。
加藤:そうですね。馬主さんも話していて面白い人の方がいいと思いますし、そういうところは見習うべきと思います。
渡辺:調教スタイルはどうされていきますか?
稲垣:大学時代から馬に接してきて、卒業して牧場に行き、そのあとトレセンに入って、自分が携わってきたそれぞれの場所で経験したことがベースになると思います。厩舎スタイルの根っこの部分は持ちつつ、根幹をぶれずに、従業員とコミュニケーションとってお互いが理解できて納得し会える仕事をしたいですね。
加藤:ボクの場合は、国枝先生の所属として騎手デビューしていまもお世話になっているので、まずは国枝先生のスタイルが基本になって、それにプラス自分が騎手時代にいろいろな厩舎に接してきたときの考えなどを加えていけたらと思ってます。あとは開業してスタッフさんと話し合いながら確立していきたいです。
渡辺:美浦の施設もさらに充実するという発表もありましたし、栗東に負けないくらいの仕事をぜひお願いします!