この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
戸崎騎手へのインタビュー。4回目の今回は、ファンの声、今後の目標などを伺いました。
ファンの声
渡辺:幸騎手が中山競馬場でファンに「幸は買いどころがわからない!」と野次られたと話されてました。その話を聞いて、スタンドからうかつなことは叫べないなと思ったのですが、戸崎騎手もファンの野次って耳に入るものですか?
戸崎:入りますね。特に中山競馬場は声がよく通りますよ(笑)。
渡辺:ネットの意見などは気にされますか?
戸崎:2、3年前はエゴサーチ(自分の名前を検索すること)して、自分への意見をよく見てました。
渡辺:そうなんですね。
戸崎:そのせいで目も悪くなってしまいましたし。でもいまは見てないですね。ネットの書き込みを見るのに時間を費やすなら、次に乗る馬のことを調べたりするのに時間を使ってます。
渡辺:イラッとする書き込みもたくさんあったと思いますが…。
戸崎:悪い意見ばかりでしたよ。
渡辺:騎乗に注文をつけたりとか。
戸崎:いま自分が見たら当時とは違う気持ちになるかもしれないけど、ボクも必死だったんだよと言いたい。
渡辺:(笑)。
戸崎:やっぱり、だからこそ結果もださないといけないですし、みんなが納得する結果ってなかなか出せないと思うけど、納得してもらえる人がひとりでも多くいるようにするのが騎手の責任かとは思いますね。
騎手として一番大事なことは?
渡辺:騎手としての一番大事なことは何でしょうか?
戸崎:身体能力じゃないですか。身体能力があれば騎乗センスも磨かれますし、レース中も鋭い感覚で馬に対応できると思う。
渡辺:騎手の方がレースを勝つために、普段どんな努力をされているのですか?
戸崎:人によって取り組み方は違うと思いますが、目先のレースに向けて何ができるか考えたときに、トレーニングだったり、自分自身の体調管理だったり、あとはその馬のことを研究したりすることは大事だと思ってます。
渡辺:亡くなられた後藤騎手も、レースごとに馬がこうだったとかメモをされてました。
戸崎:レースに向けてできることはいろいろあると思います。でもボクはそれを努力だとか堅苦しく考えてないです。リーディングがひとつの目標ですし、それに向けてできることを見つけて、ひとつでも多く取り組んでいるといった感じです。あと馬と会話できるようになれたら理想的ですね。
渡辺:馬と会話ですか。ムツゴロウさんが身体能力身につければ、天皇賞(春)でも制覇できそうですね(笑)。
戸崎:ハハハ…。
渡辺:以前このインタビューにお越しいただいた内田騎手もそうでしたが、戸崎騎手のお話を伺っていると、どこか冷静に自分自身を見つめているもうひとりの自分がいて、どうしたら自分自身を成長させていけるかを考えている感じを受けます。アスリート特有の感覚かもしれないのですが。
戸崎:自分が成長するためにしていることが楽しいというか。堅苦しくなく、やわらかくモチベーションを持続できたらいいなと思ってます。高いポジションで仕事を自然としている人というか。そういう生き方をしている人っていいですよね。
渡辺:タレントや芸人でいうと所ジョージさんとか、坂上忍さんとかヒロミさんとか、笑福亭鶴瓶さんとかでしょうか?
戸崎:そうですね(笑)。地方では的場騎手もあの年齢でも騎手をつづけられてますし、ボクもリーディング目指してもっともっと頑張らないとと思ってます。
渡辺:ボクも馬券外れたからといって激昂しないで熱くならずに、もっと馬のことを研究をしないと、ですね。(笑)。今日はどうもありがとうございました。
戸崎圭太騎手へのインタビューは今回で終了です。次回は、山田敬士騎手へのインタビューです。