
この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
ゲストの石橋脩騎手がもっとも興奮したレースとは? レースからは伺いにくい石橋騎手の姿に迫ります。
そっとしておいてほしい(笑)

渡辺:騎手といえばファンから見ると輝いてますよね。G1を勝ったときなど特にフラッシュもたくさん浴びますし、騎手になりたいと思われたときそういう華やかな世界に入りたいという気持ちもあったのですか?
石橋:職業柄そういう風にみられるのでしょうけど、目立ちたいという気持ちはないです。どちらかといえば、目立つ舞台に出たくはないです。
渡辺:えぇ、そうなんですか?
石橋:そっとしておいてほしい(笑)。
渡辺:例えて言うなら映画俳優みたいな感じなんでしょうか? スクリーンに映るオレだけを見てくれみたいな。
石橋:う〜ん、普段はそっとしておいてほしいという意味では、そうなのかもしれないですね。
渡辺:競馬学校では松岡正海騎手とは同級生ですよね。
石橋:はい。
渡辺:お二人で話をされたりすることもあるのですか?
石橋:よくしますよ。基本的に松岡が何かあったことを話して、ボクは聞いていることが多いです。
渡辺:同期でもお二方まったく性格が異なりますね。
石橋:松岡は思ったことをそのまま正直に口に出していうタイプで、ボクは逆にそういうことを人に話すタイプではないですね。
興奮したレース

渡辺:騎手の方って勝ったレースはすべて覚えているものなのでしょうか? プロ野球の王貞治元選手が、868本打ったホームランはすべて覚えているという伝説もありますが騎手の場合はどうなのでしょうか?
石橋:勝った馬を言われれば思い出しますけど、中山の第何レース…とかだけだと記憶をたどるのは難しいです。
渡辺:その中で一番鮮明に覚えているレースはありますか? 一番興奮したレースとか。
石橋:そうですね…。
渡辺:たとえばビートブラックの天皇賞(春)はどうでしたか?
石橋:あのレースは興奮しましたね。
渡辺:オルフェーヴルが断然の人気で、ビートブラックは14番人気でしたよね。
石橋:はい。直線で馬を追いながら絶叫してました。
渡辺:ゴール前は「やったぞ!」という感じですか?
石橋:最終コーナーから直線向いて、このまま残れるんじゃないかと思ったときからですね。興奮したのは。
渡辺:馬券持っていた親父連中もいっしょに興奮したでしょうね。ボクはビートブラックの馬券買えませんでしたが…。
石橋:騎手になろうと思ってから漠然といつかはG1を勝ちたいと思っていましたが、でもいざ騎手になって馬に乗ることすら大変なことを知って。その中でG1を勝つというのは凄いことですから、そのチャンスが来た瞬間だったのでそれはもう興奮状態でした。
渡辺:G1を勝つ前と、勝ったあとでは気持ちが違うものですか?
石橋:阪神ジュベナイルフィリーズでラッキーライラックは2番人気でしたから、もしG1をまだ勝っていなかったら違う感情でのレースだったかもしれないですね。
渡辺:そういう意味でもG1を手にしているのは大きいですね。
石橋:心の余裕もできたかもしれないですね。























































