この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
尾関知人調教師へのインタビュー3回目の今回は、担当馬の初勝利の思い出、馬と話せたらなどの話題となりました。
担当馬の初勝利の思い出
渡辺:尾関調教師は、最初藤沢和雄厩舎で、そのあと藤原辰雄厩舎、和田正道厩舎、大久保洋吉厩舎と所属されてますよね。いずれもビッグネームの方々ばかりですね。
尾関:藤澤先生のところは臨時だったんですが1ヶ月ちょっとくらいお世話になりました。藤原先生のところでは半年くらい持ち乗りとしてやらせていただきました。以降は攻め専の調教助手として和田先生のところで2年半、大久保先生のところで5,6年くらいですね。
渡辺:4人の先生、それぞれ考え方も違ったりしそうですね。
尾関:そうですね、なかなか言葉では表現しにくいですが。藤澤先生のところでは期間が短かったですし最初の頃はそれこそ目の前の仕事で必死でした。この世界に入りたての僕には存在感が大きすぎて圧倒されていました。いっしょに仕事をされていた厩務員さんも、きめ細やかでしたね。。
渡辺:藤原調教師は外見からして怖そうですよね、こんなこと言ったら失礼ですが(笑)。
尾関:強面ではありますが、やさしい先生ですよ。厳しいところは厳しく、でした。
渡辺:へぇ。
尾関:あるレースでボクが担当した馬が1着でゴールして、その馬が担当馬の初勝利となるはずだったんですが、そうしたら失格になってしまいまして。
渡辺:やった!と思ったのにですか。
尾関:はい。勝ったと思ったのにまさかでしたね。でもそのとき一生懸命抗議をしてくださいました。
渡辺:初勝利、になるはずが失格とは・・・。
尾関:でもボクの初勝利はその馬があげてくれました。次のレースで勝って、初勝利となったのですが、鞍上が後藤浩輝騎手で。藤原先生や皆さんで初めて口取り写真を撮ることができました。思い出深いです。
もし馬と話せたら
渡辺:獣医から調教助手時代も含めてこれだけ競馬に携わってこられて、馬の気持ちへの理解は深まっていくものなのでしょうか?
尾関:わかってないことの方が多いとは思います。でも、わかろうとする努力は絶えずつづけてます。
渡辺:馬と話せたら調教も世話もすごくラクになりますよね。
尾関:馬と話せるようになっても、馬が本音を言ってくれるとは限らないですから(笑)。
渡辺:へんに調教師やジョッキーに気を遣ったりとか。
尾関:もし話せたら、みんな走りたくないよと言いそうですよね。でもわからないことがある方が楽しいじゃないですか。
以下、次回につづきます。