この私が切り込み隊長となって馬主、調教師、騎手に話を伺う『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
ゲストは尾関知人調教師。今回は馬の見極め方、勝ちたいレースなどの話題を中心に伺いました。
馬の適性を見極めるには
渡辺:競馬界にはこれだけたくさんの馬がいるわけですから、各馬にとってレースの良し悪しを判断するのも難しそうですね。
尾関:そうですね。馬の本当の適性を知れたら理想的ですよね。レースだって何度も走れるわけじゃないですから。無茶なこともできないですし。どのコースや距離が合うかなどは、血統や調教からフィードバックして考えていくわけですが、本当にピッタリのところで使ってあげられたのかなというのはありますね。勝てなかった馬に対しては、特にその気持ちは強いです。
渡辺:これだけ毎日調教をつけていても、馬ってわからないものなのですね。
尾関:結果が出ている馬にしても、もっと違う可能性もあるかもしれないと考えだすと、本当に答えがでないです。
渡辺:レッドファルクスももしかしたら距離2000mでも、同じように豪脚をつかうかもしれないですし。
尾関:たとえばなんですが、レッドファルクスは短い距離、長くても1600mの距離しかつかってないですから、基本ワンターンの競馬ですよね。ですからカーブを曲がって直線で最後ぎゅっと頑張ればいいんだなと思えるんですよ。それが初めて一回りの競馬をしたら馬にとっては頭が混乱する恐れはありますよね。だから距離以外にもいろんな要素があるんです。
勝ちたいレースは?
渡辺:尾関調教師はレース前に強気の発言はあまりされない印象があります。
尾関:コメントを求められるのは、出馬表も枠もまだ確定してないときですから。レースでは何が起こるかわからないですし、作戦も変わるかもしれない。馬の状態も最後の最後までわからないですから、簡単に勝てるよとは言えないですよ。
渡辺:ジョッキーに指示を出されたりすることはあるのですか?
尾関:意思疎通をするのは大事なので、こういう競馬をしたいけどどう思う?という会話をすることもありますし、馬やその状況に応じてはさらに細かくもなりますね。
渡辺:2歳馬も続々とデビューしてます。来年に向けても楽しみが広がりますね。
尾関:そういう意味でも気が休むというのがないですね。一年中ワクワクできるありがたい仕事です。前の週に全然結果でなくても、次の週にはまたレースがあって走ってくれればと思いますし。
渡辺:勝ちたいレースはどのレースになりますか?
尾関:当面はダービーを勝ちたいですね。世代で1回きりのレースですし。これまで1回だけ管理馬を出させていただいたのですが、ほかのG1とはまた違う雰囲気でした。ファンファーレを聞いただけで震えますし。あと岩手で過ごしたので、南部杯も狙いたいですね。
渡辺:レッドファルクスはダートでも走りますし、どうですか?
尾関:南部杯はスプリンターズステークスの翌週ですから、さすがに無茶です(笑)。
尾関知人調教師へのインタビューは今回で終了です。次回は、(株)G1レーシング 吉田正志代表へのインタビューです。