小手川準 調教師・深山雅史 調教師・宮田敬介 調教師へのインタビュー2回目。今回は、厩舎開業にあたっての気持ちを中心にお話を伺いました。
厩舎を開業すること
渡辺:お三方の中で深山調教師はすでに開業されてますよね。試験の成績が優秀だったとか、他の方とは何か違ったのですか?
深山:いえいえ(笑)。2005年にトレセンに入ってから伊藤正徳厩舎でずっと働いていたんですけど、伊藤正徳先生が今年2月で定年になり、ちょうどボクも試験に合格したタイミングだったので、先生から指名いただき厩舎を引き継ぎました。
渡辺:馬からスタッフから、そっくりそのまま伊藤厩舎から深山厩舎となったのですか?
深山:多少馬房やスタッフの出入りはありましたが、ほぼそのままです。
渡辺:不安はなかったですか?
深山:いままで一緒に働いていたスタッフと一緒にスタートを切れたという点ではやりやすかったですね。
渡辺:宮田調教師や小手川調教師にとっては厩舎開業を先に越された形になりましたが...。
小手川:12月に合格して3月に開業だと準備期間が短いですし、知っているスタッフでしたら別ですけど、知らいないスタッフに囲まれてのスタートからだと準備期間はあった方がいいですね。
渡辺:早くスタートを切った方が有利とかはありますか?
宮田:それはないと思います。この前、セレクトセールの下見をさせていただく機会があったんですけど、それまで当歳を見る機会が少なかったし、調教助手のころにはなかった経験をしてから開業できるので、早く開業できたから有利というのはないかなと思います。
目標とする厩舎
渡辺:厩舎で働いると、先生からの教えなどはあるのですか?
宮田:ボクは国枝調教師の元で働いてましたが、あまり普段からこうしろと教えることは少なかったです。国枝調教師はあまりあれこれ言わないので、毎日の仕事の中でボソボソって言ったことを聞き逃さずに拾っていってました。
深山:伊藤調教師も、あまりこうだと教えることはなかったですね。
小手川:小桧山調教師も同じです。あれこれ言わなかったですね。ただ、常々と、馬はわからないぞとおっしゃってました(笑)。
渡辺:でもそれが一番の真理ですよね。もう何十年と競馬を見てきても、馬券が当たりませんから(笑)。
宮田:わからないことが競馬の魅力のひとつですよね。もし馬のことが最初からわかっていたら、馬について考える楽しみがなくなってしまいますから。
渡辺:たしかにそうですね。ちなみに目標とする厩舎はありますか?
小手川:これまで自分を育ててくださった小桧山調教師が目標です。調教師として馬の見方だけでなく、人柄、人間性も含めて小桧山調教師を目指していきたいです。
深山:ボクはトレセンに入ってからずっと伊藤厩舎に所属していたので、伊藤調教師のようにG1を勝利して、いずれ先生を追い越せるようになりたいです。
宮田:ボクは国枝調教師ですね。人徳もあって、自然と人や馬が集まってきますし、あれだけ実績を残しているのに決して偉ぶるわけでもなく、たまに冗談を言って場を和ませたり、すごく尊敬できますね。
渡辺:国枝調教師といえばドバイでアーモンドアイが勝ったとき、英語でインタビューの受け答えされてましたね。
宮田:あの姿を見てかっこいいなと思いました。ボクは片言しか話せないけど、開業まで時間もあるので英語の勉強をちょっとずつですがはじめてます。
渡辺:日本馬の海外出走もいまや当たり前になってますから、英語は必須になりそうですよね。
深山:ボクは大学卒業してから1年半ほどオーストラリアに行ったことがあり、英語は多少ならできますが、国枝調教師のようなしっかりとした受け答えができるよう自信を持ちたいですね。
小手川:ボクも片言程度ですが、海外競馬のことも考えて英語も勉強しておかなきゃと思ってます。
騎手に聞くキャプテン渡辺のここだけの話
- Q.競馬以外の趣味を教えてください。
- A.ボクはお酒と野球観戦ですね。(小手川調教師)
お酒ですね。それ以外だと読書です。(深山調教師)
ボクは競馬以外はあまりないです(笑)。(宮田調教師)
渡辺:お酒は毎晩飲まれるのですか?
深山:気がついたら冷蔵庫あけてます(笑)。
小手川:ボクは阪神ファンので、お酒を飲みながらCSで試合を観ています。
渡辺:やっぱりお酒を飲んでいるときが一番落ち着きますか?
小手川:落ち着けるかどうかは、阪神の成績次第ですね(笑)。
渡辺:宮田調教師は競馬一本ですか?
宮田:そうですね。血統表を見てると楽しいですし、セリ馬の血統を全部調べたり。以前はゴルフを妻としていたんですが、子どもができてからやらなくなっちゃったので、子どもの手が離れるようになったら妻とゴルフをやりたいなと思ってます。