こんなわたくしでもいつか馬主になってダービー制覇したい!有馬記念を勝ちたい!ということで始まりました『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』。
新人調教師の田中博康調教師、林徹調教師、和田勇介調教師の3名にお越しいただいてのインタビュー。調教師としての夢、目標についてお聞きしました。
日本競馬のレベルは?
渡辺:前回藤澤先生にお話を伺ったとき、日本の調教レベルは世界ではまだまだとおっしゃってました。ボクは日本が世界でもトップクラスだと思っていましたから少しショックを受けたのですが、皆さんはどのように感じられますか?
田中:世界の中で日本の競馬への評価はトップクラスと認識はされているものの、でもフランスへ行くと現地の人からはそれでも自分たちが一番だと言われます。
和田:海外の方は、日本以上にプライドが高いですから。
田中:日本では設備や施設、それこそデータ分析までお金をかけて行っているけど、海外だとそうでもないんです。それでも強い馬がたくさんでてくるのは凄いですよね。
渡辺:田中調教師はフランスに多く行かれてますが、フランスでは競馬はどのような立ち位置なんですか?
田中:誰でも参加できるスポーツのような感じですね。誰でも馬に乗ろうと思えば乗れてしまう。極端な話、パートのおばちゃんが馬に乗ったり、朝運動がてらちょっと馬に乗っていくとか、身近なスポーツ感覚に近いですね。
渡辺:麻雀みたいですね。
林:(笑)。
渡辺:麻雀は素人でもプロの大会に出ますし。軽くちょこっとやっていこうか、みたいな。
田中:…そうですね(笑)。
渡辺:それは冗談として、競馬は生活の一部みたいなものなのですね。
田中:はい。ただそれは文化の違いなので、日本は日本で違う考えで競馬文化を築いてますから。
渡辺:なるほど。
田中:それに、フランスだと競馬に頑張るという習慣はあまりないような印象も受けます。そういう意味では日本は競馬に力を注いで進んでいるのかもしれないですけど、根本的な文化や慣習の違いはあるので、その部分は頑張ってもなかなか近づけない領域ですね。
渡辺:そうなると、システムで勝つしかないですね。
田中:根本を強くすることも必要ですけど、頭をつかうというかそういうところでカバーはできるのかなという気はしますね。
渡辺:レースでも違いますよね。パドックでもファンが馬に触ったりとか。
田中:ジョッキーがファンのエリアを通ってパドックに行きますからね。
渡辺:日本でもあの感覚あるといいですよね。日本だと、パドックで少しでも大きな声を出すと鬼のような形相で怒られますからね。
林:それを言ったらドバイなどはレースとレースの合間に、どでかい花火を打ち上げてますし。
田中:ああいうお祭りの日を1日でも作ってくれたら、日本でも注目度が違ってきそうですね。競馬をしたことがない人でも凄いなと思ってくれそうです。
渡辺:日本でも競馬場で花火大会とそのあとナイター競馬、ぜひやりたいですね。
和田:そういう華やかな日もあってもいいですね。
調教師としての夢、目標
渡辺:調教師として一番勝ちたいレースはどのレースですか?
田中:ボクは凱旋門賞を勝つことですね。それは自分の中では譲れないです。
林:いちばん勝ちたいレースは何かと聞かれたらダービーなんですが、青臭いかもしれないですけど、大きなレースを勝ってみんなで泣いて喜べたらいいですね。自分だけでなくて、馬主様であったり牧場の皆様、厩舎スタッフであったり、みんなで本当に泣いて喜べたら最高ですね。
和田:私はブリーダーズカップを勝ちたいですね。もちろん凱旋門賞を勝ちたいですが、テレビでしか見たことがないブリーダーズカップをぜひ勝ってみたいです。
渡辺:最後に皆さん開業前ですが今年の目標を聞いてもいいですか?
和田:うーん、何にしようか難しいですね。
渡辺:プライベートのことでもよいですよ(笑)。
和田:そうしたら5キロ痩せる、にします(笑)。
田中:ボクは、うーん、婚活かな。
渡辺:いまお相手はいないのですか?
田中:いないですね。ジョッキーのときはひとりのときの方が落ち着いていましたから。
林:仕事をするにも奥さんの役割は重要ですよ。1から10まで全部やろうとすると大変ですから。
渡辺:林調教師はご結婚されているのですか?
林:はい。
渡辺:では林調教師の今年の目標は子作りにしましょうか(笑)。
林:えーっ(笑)。それは別な意味で大変…。
渡辺:あと最後に皆さんにお願いしたいのがスターホースですね。ディープインパクトのような世間を巻き込むような馬づくりをぜひお願いしたいです。
田中・林・和田:はい、がんばります。
渡辺:今日はありがとうございました。
新人調教師の田中博康調教師、林徹調教師、和田勇介調教師へのインタビューは今回で終了です。次回は、木幡育也騎手、武藤雅騎手、横山武史騎手の3名の新人騎手へのインタビューです。