きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2011.2.14

ようこそいらっしゃいませ。

行く人来る人、また今年も調教師や騎手の入れ替わりの季節です。6人の調教師さんが定年で引退されることになります。驚いたのは郷原洋行調教師が勇退されるというニュースです。まだ67歳、定年に3年余してのリタイアです。

ご本人が何も語られないので詳細は分からないのですが、“勇退”が珍しくない昨今のトレセン事情なども含めて、余人には計り知れない複雑な思いがあるのでしょう。

今朝のニュースで日本のGDPが中国に抜かれて第3位に転落、いずれ遠からずこの日が来ることは分かっていても、42年間続いた世界2位の座を明け渡すことに感慨を覚えます。これまでとは異なった価値観とか仕組みとかが求められる新しい時代が幕を開けたのですね。

郷原洋行さんが中山競馬場の大久保房松厩舎に弟子入りし、騎手免許を取得したのは1962年のことでした。まだ競馬場に厩舎が付属していた時代です。日本は高度成長の坂道を飛ぶように駆け上がっていました。64年には東京オリンピックが開催され新幹線が開通しました。そして郷原騎手がリーディング争いの常連となり、押しも押されぬ一流ジョッキーとなった1968年、日本はGDPで西ドイツを抜き世界2位の経済大国に君臨します。

前年にはリユウズキで皐月賞を制した郷原騎手は、この年も通算15勝も上げた名中距離馬シェスキイで重賞を勝ちまくり関東第一人者の地位を不動のものにしています。

この日本が一番元気だった時代にトップジョッキーであり続けた郷原さんには忘れられない名勝負がたくさんあります。今週はこの偉大なホースマンの足跡を振り返りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。