きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

ダービーデーです。震災から3カ月近く、無事にこの日を迎えられたのが夢のようです。あいにくのお天気ですが、今日一日をたっぷりお楽しみください。

さて、あちこちで話題になっているのでご承知でしょうが、今回は出走馬中16頭がサンデーサイレンス直仔の産駒で残る2頭も母の父にサンデーサイレンスの血を持っています。

考えてみれば、このサンデーサイレンス王国が幕を開けたのは、この前の阪神大震災の年、1995年のダービーでした。SS初年度産駒のタヤスツヨシとジェニュインがワンツゥー、歴史の舞台を大きく転換させることになります。

あれから15年、6頭の直仔、2頭の孫がダービーを勝っています。ネオユニヴァースとロジユニヴァースの親子は《ダービー馬はダービー馬から》の夢を実現させました。SS系産駒は2着馬7頭、3着馬8頭と常に上位を占めていて、ワントゥースリーフィニッシュを3度も記録しています。思えば思うほど偉大すぎるスーパーサイヤーですね。

もう今年のダービーは“SS祭り”ということで決まりなのでしょうが、心配なのは多くの識者が指摘するように“血の偏り”ですね。今日の出走馬から種牡馬になる馬も出てくるのでしょうが、その仔はいったいどんな牝馬と交配するのだろう?

SS系全盛は牡馬に限った話ではなくて、今年も桜花賞はディープインパクト産駒のマルセリーナ、オークスもデュランダル産駒のエリンコートが勝ちました。SSの孫世代は“嫁探し”に苦労させられそうです。

まぁ、それでも孫世代ならではの“特権”みたいなものもあります。たとえばオルフェーブルの交配相手に、母父の父がSSのたとえばショウリュウムーンのような馬を選ぶと、サンデーサイレンス3×4のクロスが誕生することになります。実際に何年後かにはこういう馬が現れるのでしょうが、気性難で“定評”があるSS同士のクロスってどうなんでしょう?

いろいろと考えさせられることの多い今年のダービーですが、新しい歴史を切り拓く(たとえば15年前のように)エポックメイキングなダービーになってほしいですね。

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