きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

今年はヨーロッパの競馬がメチャクチャ面白いですね。英2000ギニーを圧勝して6戦6勝のフランケルが来週のセントジェームズパレスSに勇姿を現わすのですが、強すぎてちょっと賭けにならないというムードです。日本から挑戦するグランプリボスはどこまで戦えるのでしょうか。なお、この一戦はグリーンチャンネルで無料生中継するそうです。6月14日の深夜11時からです。どうぞお見逃しなく。

古馬勢も元気いっぱいです。例年だと強くて人気のある馬は3歳で引退してしまうのですが、今年はいつになく強豪が引き続き走っています。馬産界の不況の影響なのでしょうが、ファンには嬉しいですね。

で、セントジェームズパレスSと同日に行なわれるクイーンアンSでG1を13勝している女帝ゴルディコヴァが連覇を狙って登場します。キングマンボのお母さんでBCマイル連覇などG1を10勝した名牝ミエスクとよく比べられるのですが、ミエスクに騎手としてゴルディコヴァに調教師として接したフレディ・ヘッド調教師は《ミエスクを超えた》と言っています。この世紀の女帝の前に立ちふさがるのがキャンフォードクリフス。彼も目下G1を4連勝中とまったく底を見せていません。両雄のブックメーカーオッズは2倍くらいで拮抗しています。

海外競馬に造詣の深い合田直弘さんが《今年の凱旋門賞は大変なことになる》とおっしゃっています。ヴィクトワールピサ、ナカヤマフェスタ、ヒルノダムールと日本からの挑戦もほぼ決定しているのですが、海外勢は凄い顔ぶれです。

昨年の覇者ワークフォースは今季も順調なスタートを切っています。オーストラリアから移籍したソーユーシンクは2連勝中で中長距離での実力はワールドクラスであることを実証しました。この両雄対決は8月のキングジョージでも見られるかもしれません。スーパーホース・シーザスターズと同期だったばかりに無念の涙を飲み続けたフェイムアンドグローリーが復活をかけて、裏街道から晴れ舞台に躍り出ようと爪を研いでいます。これはほんの一端で、まだまだ多士済々の様相を見せていますね。

こうした強力な古馬勢に対して3歳勢の筆頭格は先日の英ダービーを電光石火の末脚で制したプルモアでしょうか。そのとき3着だった女王陛下の愛馬カールトンハウスは不利がなければとライアン・ムーア騎手が悔しがっていたようです。

スプリンター世界一は13連勝中のブラックキャビアでしょうが、彼女のいるオーストラリアから2頭がロイヤルアスコットに参戦、いずれも彼女に負け続けてきた馬ですが、これを物差しにブラックキャビアの実力を測ってやろう、そんなムードも充満してヨーロッパは盛り上がっています。

ひょっとしたら今年は、世界の競馬史に残る1年になるかも、そんな気が今からしています。

×