きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今週土曜の函館5R新馬戦に出走のホーカーテンペスト、馬名はイギリス空軍の戦闘機に由来するもののようです。第2次大戦末期に登場し当時としては最速を誇りました。ホーカーは鷹狩りを司る鷹匠、テンペストは嵐を意味します。腕利きのパイロットが鷹匠のように戦闘機を自在に操って、獲物を嵐のように射止めるさまをイメージしているのでしょうね。

鷹狩りというと徳川家康が好んだと伝えられるように、時代劇でおなじみの日本独自のものと思いがちですが、アイルランドなど世界各地で古くから行われており、昨年、UAE、モンゴル、チェコなどに伝わる鷹狩りがユネスコから世界遺産に指定されたほどです。どうやら競馬同様にワールドワイドなスポーツのようです。

さて、馬のホーカーテンペストは父名ホークウイング(鷹の翼)を継承する発想も込められているのでしょうね。ホークウイングはエクリプスSとロッキンジSでG1を2勝、英2000ギニーはロックオブジブラルタルの2着、英ダービーはハイシャパラルの2着といずれもエイダン・オブライエン厩舎の僚馬に惜敗しています。非常にレベルの高い世代だったのが不運といえば不運でした。

歴史的名馬となった僚馬たちとの使い分けもあって本当の適性がどこにあったのか謎の部分も多いのですが、マイルと2000mのG1を勝ち、2400mのダービーも2着という距離への高い適応性は大きな魅力になっています。桜花賞もオークスも無理なく守備範囲ということになります。

母リッチダンサーはイギリスで走り未勝利で終わりましたが、母としてはホーカーテンペストの全兄スタッブズアートが英愛の2000ギニーでいずれも3着に健闘しています。この年の両2000ギニーは1着がヘンリーザナヴィゲーター、2着が後のダービー馬ニューアプローチで3着がこの馬、少なくともこの時点ではNo.3に数えられていたことになります。その後に去勢しているので気性に難点でもあったのでしょうか。気がかりといえば、そこが気がかりです。1200mというレース選択もそのあたりから来たのでしょうか。今後、どう成長していくのか、長い目で見たいと思います。

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