きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) CBC賞

先週から7月に入り、競馬は本格的な夏競馬の到来となりました。福島、小倉、函館と夏を盛り上げる競馬場で熱い闘いが繰り広げられました。小倉競馬場で行われたCBC賞(GIII)では、ルーキーの今村聖奈騎手が初重賞騎乗初制覇を成し遂げました。覆面歌人の京雅さんからは、このCBC賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

CBC賞 京雅

花溢れ
次を狙う娘(こ)
攻めスター
一騎スピード 
ハナで抜けたよ

隠れたメッセージは「はつせいは れこーどよ → 初制覇 レコードよ」です。
花()溢れ(
次()を狙う娘(
攻()めスター(
一()騎スピード() 
ハ()ナで抜けたよ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
3歳牝馬の格上挑戦ということで、48キロの軽ハンデで出走したテイエムスパーダ。今村聖奈騎手を背に、ハンデを生かしてスタートから攻めて、ハナに立ちます。
600mの通過タイムは31.8秒というハイペースも、一騎果敢にスピードを緩めず直線へ。開幕週の鮮やかな芝の上で躍動するように脚色は衰えず、ハナで駆け抜けレコードタイムで人馬共に初の重賞制覇となりました。
3歳牝馬テイエムスパーダと、ルーキーの女性騎手のコンビでの重賞制覇ということで花に溢れたレースといえ、また、更に大きな舞台を目指す「次を狙う娘」(テイエムスパーダも今村聖奈騎手も)という和歌にぴったりな情景となりました。

今村聖奈騎手は7週連続勝利など、ここまで19勝を挙げる大活躍中。30勝以上が条件となるJRA賞最多勝利新人騎手の獲得も現実味を帯びてきたのではないでしょうか。今後も今村聖奈騎手の活躍から目が離せません。
※「キャプテン渡辺のWINNER'S CIRCLE」のコーナーでは今村聖奈騎手のインタビューを掲載しております。是非、ご覧ください。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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