きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイ馬券作戦は難解

3月25日は、岩部 純二 騎手、的場 均 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

桜の開花が告げられる季節になると、南十字星の下では熱砂の激闘ドバイワールドデーが華やかに開幕します。日本馬の激走がファンを喜ばせる風物詩となっていますが、昨年はドバイワールドCのチュウワウィザード、ドバイターフのヴァンドギャルド、ゴールデンシャヒーンのレッドルゼルがそれぞれ2着、シーマクラシックはクロノジェネシスとラヴズオンリーユーは2・3着と後一歩で表彰台の中央に上り損ねました。今年はウィザード、ギャルド、ルゼルが健在な上、さらに陣立てを飛躍的に強化してドバイ入りしています。前哨戦(?)サウジカップデーの怒濤の進撃ぶりからも、ファンの期待が高まるのも当然でしょう。

しかし近年のドバイミーティングは、一昨年がコロナ禍で直前に断腸の思いの中止決断、昨年もその影響が尾を引いて必ずしもハイレベルな顔ぶれとはなりませんでした。ちなみにドバイワールドCのレースレーティングは近年の最低水準に落ち込み、世界のG1レース・ランキングで84位と影を薄くしています。このランキングは、世界のG1各レースの1着〜4着馬の平均レーティングでレベルを数値化したもので、秋口の仏-凱旋門賞、英-インターナショナルS、愛-チャンピオンSなどが上位常連で、日本の天皇賞秋、ジャパンC、有馬記念も躍進を続けています。有力馬がこぞって調子を上げて来る秋のレースに分があり、春先の開催は時期的に不利なのは確かですが、サウジアラビアも含めて日本馬の猛烈な躍進は、このメンバーの手薄さにも一因があったという解釈も、それなりの説得力が感じられます。

その点、今年は飛躍的にメンバーレベルが上がっています。メインのワールドCなんかは、ダート王国アメリカの最高峰「ブリーダーズCクラシック」がそのまま引っ越して来たような豪華メンバーが揃いました。1番人気に支持されているライフイズグッド、メイダンのトライアルを楽勝したホットロッドチャーリー、サウジで名を売った新鋭カントリーグラマーなどは現時点での“北米三羽烏”と呼んで違和感がありません。この壁は厚そうです。実績十分な日本馬5頭が挑むシーマクラシックも一筋縄では収まらないクセモノが揃いました。日本馬が伝統的に得意とするドバイターフにも同様のことが言えそうな気がしています。日本でもゴールデンシャヒーン、ドバイターフ、シーマクラシック、ワールドカップと4つのG1レースが馬券発売されます。日本馬が人気の中心を占めるのでしょうが、外国馬勢の逆襲も考えておかねばならず、そう簡単ではなさそうです。

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