きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  スプリングステークス&若葉ステークス

先週は土曜日の阪神競馬場で若葉ステークス(L)、日曜日の中山競馬場ではスプリングステークス(GII)と、クラシック第1弾・皐月賞のトライアル競走が2競走行われました。覆面歌人の京雅さんからは、スプリングステークスを中心にしつつも、若葉ステークスにも関連付けるという高度な和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

スプリングステークス&若葉ステークス 京雅

逃げ走れ
元気が自慢
際立つぞ
強い勝ち抜く
耐えてハナ差で

隠れたメッセージは「にげきつた れんそくで → 逃げ切った 連続で」です。
逃()げ走れ(
元()気が自慢(
際()立つぞ(
強()い勝ち抜く(
耐()えてハナ差で(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
隠れたメッセージの通り、土曜日に行われた若葉ステークスは岩田康誠騎手を背に、ダートで2戦2勝のデシエルトが初の芝、初の重賞挑戦をものともせず、3馬身差の逃げ切りで快勝すると、翌日の中山競馬場では、これまた岩田康誠騎手を配したビーアストニッシドがしぶとく逃げ粘りハナ差の勝利。元気が自慢の快速逃げ馬が2日連続で皐月賞トライアルを制し、岩田康誠騎手もまた2日連続での快勝となりました。「逃げ切った 連続で」は2つのレースを”逃げ馬”と”騎手”という、2視点から表現されております。
デシエルトについては、「ここで負けていては皐月賞を取れません」と強気に語り、ビーアストニッシドに関しては「行かせれば全能力を発揮してくれます」と話しており、本番の皐月賞で岩田康誠騎手がどちらを選ぶのかも注目です。

桜花賞や皐月賞に向けたトライアル、ステップレースは大半が終了し、今週からはいよいよ春のGIシリーズの開幕。まずは中京競馬場1200mで行われるスプリンター達の熱戦・高松宮記念が27日に行われますので、是非、春のGI開催を存分に楽しみましょう。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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