きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2021.8.13

女王陛下のディープインパクト

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ヨーロッパ大陸をディープインパクトから発された驚くべき衝撃(インパクト)が駆け抜けています。産駒のスノーフォールが英オークスを史上最大の16馬身差で劇的な勝利を収め、続く愛オークスも8馬身半差の圧勝と想像を超えるパフォーマンスの連続は、ディープインパクト悲願の超大物が最晩年にして遂に現れたと世界のホースマンを興奮の渦に巻き込んでいます。凱旋門賞オッズは主要ブックメーカーがこぞって1番人気に挙げています。彼女は凱旋門賞登録がなく、出走には12万ユーロ≒1560万円もの高額な追加登録料が必要ですが、順調ならゲートインしてくれるはずです。

今や全世界のホースマンにとって垂涎の的と化したディープインパクトの血ですが、日本時間今夜半のニューベリー競馬場のメイドン(未勝利)にその希少な産駒が出走します。エリザベス女王所有のエデュケーターがその馬で、巨匠サー・マイケル・スタウト師が管理する全姉ポートフォリオは2勝を既に上げて明るい将来を切り拓いています。母ディプロマが日本に送られディープを種付けされノーザンファームで誕生したのがポートフォリオで、エデュケーターはお腹に入ってイギリスに帰り生まれ、女王の信頼篤いウィリアム・ハガス師に預けられました。

人気はゴドルフィンのドバウィ産駒ニューキングダムがアタマ一つ抜けた1番人気に支持され、エデュケーターが2番人気ですが、他馬も差なく続き混戦ムードが色濃く漂っています。それにしても女王のエデュケーターをエスコートする出走馬は凄いメンバーが揃いました。モハメド殿下率いる今季絶好調のゴドルフィン、その一族である故ハムダン殿下、オバイド殿下などレジェンド級馬主はもちろん、急速に存在感を拡大するチャイナホースクラブなど新興勢力の名前も見えます。スノーフォールを管理するアイルランドが本拠のエイダン・オブライエン勢の姿こそありませんが、イギリスの巨匠ジョン・ゴスデン師やリチャード・ハノン師が参戦します。どなたも我が愛馬の勝利を一番目に祈り、もしそうでなければ恐らく女王陛下の馬に勝ってほしいと願っている方ばかりです。気持ちの良いレースになると思います。朗報を待ちたいですね。