きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  函館2歳ステークス

7月22日は、中舘英二 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は函館で今年最初のJRA2歳重賞・函館2歳ステークス(GIII)が行われました。世代で最初のタイトルホルダーとなるのはもちろんのこと、今後のGⅠ戦線に向けての賞金加算という点でも優勝に大きな価値があります。覆面歌人の京雅さんには、この函館2歳ステークスを和歌に詠んでいただきました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

函館2歳ステークス 京雅

攻めてきた
ダッシュ折り合い
いざ追うと
ハナで踏ん張る
ついに交わすよ

隠れたメッセージは「せだいはつ たいとるよ → 世代初 タイトルよ」です。
攻()めてきた(
ダ()ッシュ折り合い(
い()ざ追うと(
ハ()ナで踏ん張る(
つ()いに交わすよ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
世代初のタイトルを手にするのはどの馬か・・・ということで注目を集める函館2歳ステークス。今年、その福を手にしたのは先行策で抜け出したナムラリコリスでした。
攻め馬(調教)では馬の後ろに入れて折り合う調整をしてきた、と鞍上の泉谷楓真騎手が語っていた通り、好ダッシュから理想通り行く馬を前に置いた4番手を追走し息を入れて折り合うと、直線手前から、いざ追い出し開始。先行勢を捕えて、見事、世代初タイトルを手にしました。
泉谷楓真騎手は勝利騎手インタビューで「直線で慌ててちょっと(追い出しが)早かったなと後から思いました。馬の力があったので、そこも(ハナで)踏ん張ってくれて何とか一番最初にゴールを通過できたのでホッとしています」と答えており、馬のひと踏ん張り、調教での成果が出た勝利といえそうです。

上述の通りナムラリコリスは、2歳世代で最初のJRAタイトルを手にしましたが、泉谷楓真騎手も2020年デビューの同世代騎手の中で、最初のJRA重賞を獲得。京雅さんの隠れたメッセージには競走馬と騎手の両者へのメッセージが隠されていました。“初”を手にしたナムラリコリスと泉谷楓真騎手のコンビに、今後も注目です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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