きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

クラシック全開!

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欧米では“ワクチン効果”もあってか、猛威をふるったコロナ禍も下火へと向かう気配が見えてきたようです。まだ入場制限など一定の規制は残されていますが、今週はイギリスで2000ギニー&1000ギニー、アメリカではケンタッキーオークス&ダービーが行われます。一足早く開幕した日本なども含めて北半球はクラシック全開の季節を迎えることができました。

伝統に則って今年もニューマーケット競馬場で行われる2000ギニーは、大手ブックメーカーのオッズによれば、1番人気に推された名門エイダン・オブライエン厩舎のウェンブリー4.5倍から、10倍の同厩ヴァンゴッホまで、7頭が小差でひしめき合う混戦模様が伝えれています。エイダン・オブライエン勢は3頭ですが長男ジョセフが手がけるサンダームーンを加えると4頭、ゴドルフィンのチャーリー・アップルビー勢が盟友である故ハムダン殿下のムタサーベクを入れて3頭と、世界競馬シーンを二分する両巨頭がガップリの一騎打ちムードが際立ちます。

ウェンブリーはまだ未勝利を勝っただけの1勝馬ですが、アイルランドとイギリスの2歳チャンピオン決定戦でいずれも2着と底力の確かさは折り紙付きです。主戦騎手ライアン・ムーアを配して必勝を誓っています。一方、凱旋門賞馬ファウンドの初仔という良血バトルグラウンドは、鞍上にランフランコ・デットーリを招聘してクラシック奪りに臨みます。今年のクールモア勢は、シーミー・ヘファーナンのヴァンゴッホまで含めて少数精鋭のエリート軍団ですね。対するゴドルフィンも至宝ドバウィ産駒マスターオブザシー、ワンルーラー両雄にウィリアム・ビュイック、ジェームス・ドイルのダブル主戦コンビを配して悲願成就を託します。

残念ながら日本馬の参戦はなくなりましたが、ゴドルフィンはケンタッキーダービーにも有力馬を送り込んでいます。厳しいサバイサル前哨戦シリーズを2歳チャンピオンに輝いたエッセンシャルクオリティが奇跡的に生き残り、ここまでG1BCジュベナイルを含めて5戦5勝と無傷の進撃を続けています。BCジュベナイル馬からケンタッキーダービー馬まで昇り詰めた07年のストリートセンス、16年のナイキストに続いて史上3頭目の栄光を掴み獲ることができるでしょうか。無敗の三冠馬コントレイルの近親という血統的背景も魅力に映ります。

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