きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2011.10.26

ようこそいらっしゃいませ。

天皇賞秋、ジャパンC、有馬記念の古馬三冠秋の陣を完全制覇したのは2000年のテイエムオペラオーと04年のゼンノロブロイだけなのはご承知のとおりです。

惜しかったのは99年のスペシャルウィークです。天皇賞でステイゴールド以下に完勝した彼は、ジャパンCでも凱旋門賞馬モンジュー(4着)など強豪を倒し、有馬記念では先に抜け出したグランスワンダーを猛追しゴールでは完全に脚色で上回り差し切ったと誰もが思いました。しかしグランスワンダーの勝負勁さも超一級で、4センチと伝えられる微差で涙を飲んだのでした。

そのときハナ+クビ差の3着が3歳馬テイエムオペラオーでした。翌年、驚くべき“覚醒”を遂げることになる馬です。そのオペラオーは明け4歳で天皇賞春、宝塚記念を連覇して、天皇賞秋に挑み宝塚に続きメイショウドトウを下します。

しかし本格化したドトウも一戦ごとに強さを増していきます。ジャパンCでは翌年にはヨーロッパチャンピオンに輝く上がり馬、デットーリ騎手のファンタスティックライトをハナ差制しますが、オペラオーにはクビだけ届きませんでした。でも天皇賞で2馬身半あった差は確実に縮まっています。

そして20世紀最後の大一番・有馬記念を迎えることになります。オペラオーは1.7倍、2番人気のドトウは6.8倍でしたから、どれほどオペラオーがファンから信頼されていたか分かります。レースは向こう正面からハロン11秒台へとペースが上がり、直線の我慢比べ、持久力勝負に持ち込まれます。抜け出したドトウをオペラオーがハナだけかわしてゴールイン、G1ばかり4戦連続のワントゥーフィニッシュでした。

この死闘は翌年も続き、天皇賞春はまたもオペラオーが先着、最後の最後、宝塚記念でドトウは勝利を飾り、主戦の安田康彦騎手、馬主の松本好雄さんを喜ばせてくれました。オペラオー、ドトウ、本当に素敵なサラブレッドでした。

結局、この年のオペラオーは8戦8勝、G1は5勝という無敵ぶりです。4歳で馬が変わったように充実を見せたのは、77年のテンポイントが深く記憶に刻まれています。

“東高西低”の風の中で彼は“関西の星”として期待を背負います。しかし3歳までは5-3-1-1、ここ一番で勝てない悲運の馬でした。ところが4歳になると輝く栗毛の馬体もグンと大きくなり、天皇賞春、有馬記念を含めて6-1-0-0の快進撃を続けます。2着に敗れた宝塚記念は宿敵トウショウボーイの得意距離、止むを得ない敗戦だったと思います。

京都大賞典では63キロを背負い、2着に8馬身差の圧勝、手のつけられない強さを見せつけていました。有馬記念ではトウショウボーイとのマッチレースを制し、押しも押されぬチャンピオンホースとして君臨します。しかしこの強さが日経新春杯の66.5キロを課された遠因になり、悲劇の最後へと導いたかと思うと胸が痛みます。

そして21世紀、時代は新たな実りの4歳秋を迎えて、古馬三冠にチャレンジする馬を生みます。ゼンノロブロイです。続きは明日お届けします。どうぞよろしくお願いします。