きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2017.6.30

負けにも不思議の負けあり

6月30日は山内研二調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

――勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。
これは、大名でありながら心形刀流剣術の達人でもあった、肥前国平戸藩の第9代藩主である松浦清(号は静山)が、剣術書『剣談』に記した言葉で、後に、プロ野球界の“名将”野村克也さんが引用したことで多くの人に知られるようになったものです。
すなわち、負けるときは、負けるべくして負けているというのです。
なるほど、たしかにその通りで、野球にかぎらず、柔道、空手、サッカー、バスケットボール、バレーボール、卓球、ラグビー……などのスポーツ、さらには、ビジネスにも当てはまりそうです。

――ということは、競馬も?
馬場が合わなかった。展開が向かなかった。レースで不利があった。距離適性がなかった。右回りがうまくない。スタートで出遅れた。騎手の判断ミスがあった。内でつつまれた。芝がボコボコに荒れていた。馬体重が極端に減っていた。暑さに弱い。雨で濡れるのが嫌い。反応が鈍かった……などなど、敗因はさまざまあります。
でも、しかし――。
負けにも不思議な負けがあるのが、競馬の不思議なところです。
25日に行われたGⅠ宝塚記念も、そのひとつでした。単勝1.4倍。圧倒的な1番人気に推されたキタサンブラックが最後の直線で失速。まるで違う馬がレースに出てきたかのような惨敗を喫しました。

「正直、ちょっとわかりません。ここまで負けたのは、はじめてですから。何ででしょう? 残念です。馬場はここまで影響するほどでもなかったし、雨もそれほどでもなかった。状態も気になるところはなく、返し馬も悪くはなかった。レースでも不利はなかったし……わかりません」
乗っていた武豊騎手も首を捻るばかりです。

何か決定的な理由があったのか? それとも、単に、今日はやる気がなかった……というだけだったのか!? こんなとき、調教師の先生も、騎手も、オーナーのみなさんも、“あぁ、馬と会話ができたらなぁ”と思うのではないでしょうか。

――負けにも不思議の負けあり。
これが競馬の奥深さであり、難しさなのかもしれません。