きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

サンデーサイレンスの風

6月29日は藤原英昭調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

昨日はディープインパクトが種牡馬としてロイヤルアスコット初勝利を挙げた話題をお届けしました。でも世の中、頑張っているヤツはたくさんいるんですね。 ディープの1歳年上に同じサンデーサイレンスの血を引くハットトリックという馬をご記憶の方も多いでしょう。G1は2勝止まりでしたが、マイルチャンピオンシップでダイワメジャーを下したり、香港マイルを制覇の金星を挙げたり派手なパフォーマンスで人気を博しました。

そのハットトリックは、同期にダイワメジャーやハーツクライ、1歳上にネオユニヴァース、ゼンノロブロイ、1歳下には超大物ディープインパクトとサンデーサイレンス系の大ヴィンテージ時代に生まれ、日本では繋養先に恵まれずアメリカに渡って種牡馬生活を始めます。どうなることかと心配したのですが、初年度からいきなりダビルシムという大物を輩出し、彼は2歳時5戦5勝でモルニ賞などG1獲得数で早々と父に並ぶ2勝を挙げ、ヨーロッパ2歳チャンピオン、フランスの年度代表馬に選ばられます。3歳時は屈腱炎に悩まされ長い闘病の末に引退、ドイツで種牡馬入りします。ここでも先行きが不安だったのですが、手頃な種付け料とサンデーサイレンス系の血の魅力が人気を呼んでドイツ新記録となる種付け数をマークしたそうです。その中の一頭がロイヤルアスコットのG2アルバニーSを壮烈な叩き合いで本命馬を競り落としサプライズ優勝を果たしたフランス調教馬ディファレントリーグという牝馬です。これで3戦3勝と無敗街道を突っ走っています。ヨーロッパの血にサンデーサイレンス系を根付かせたハットトリックは偉い馬です。

向こうのホースマンのサンデーサイレンスにかける情熱は本物です。ダビルシムの繋養先の牧場は、彼の産駒の初勝利馬に2万ユーロ、初重賞馬に5万ユーロ、初G1馬には10万ユーロの生産者ボーナスを提供するそうです。これも種付けオファー殺到の一因になっているのでしょう。ディファレントリーグはアルバニーSの優勝賞金とほぼ同額のボーナスを手に入れています。次は父が制覇したモルニ賞でG1ボーナスを獲得するのが標的になるのでしょうか?昨日ご紹介したディープインパクトのクラシック候補セプテンバーといい、このディファレントリーグといい、サンデーサイレンス系の血がヨーロッパを本格的に席巻しそうなムードが漂ってきました。

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