きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

力放つヘイローのクロス

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日曜新潟競馬場では新潟2歳ステークスが行われました。1番人気がモーヴサファイアで単勝5.2倍、2番人気がイブキで5.7倍、3番人気がヴゼットジョリーで6.5倍、4番人気がキャスパリーグで7.9倍、5番人気がサンライズソアで9.3倍、6番人気がオーバースペックで9.6倍とここまでが10倍を切るオッズで上位人気が混戦状態でのレーススタートとなりました。

勝ったのは3番人気のヴゼットジョリーでした。レースを振り返ると、先頭に立つ勢いで好スタートを決めたイブキをアピールバイオが外から交わして先頭に立ち、1000m通過60秒7のゆったりとしたペースで逃走。最後の直線で、もうひと伸びしようとするアピールバイオを残り100m手前でヴゼットジョリーが交わして先頭に立ち、そのまま差を広げて優勝。2着には最後方から追い込んできたオーバースペックが入り、イブキが3着、1番人気のモーヴサファイアは2枠発走で、終始内を回る展開となり、最後も最内からの追い込みにかけるも外が伸びやすい馬場もあり伸び切れずに8着の結果でした。

勝ったヴゼットジョリーは父ローエングリン、母父サンデーサイレンス、母フレンチビキニの血統になります。ローエングリン産駒というと一番の出世馬ロゴタイプも同じくローエングリン×サンデーサイレンスの配合で、母は違えどロゴタイプ同様にヘイローの4×3、ノーザンダンサーの5x5のクロスを持っています。今年の3歳クラシック上半期の優勝馬、有力馬を見ると、桜花賞馬ジュエラーがヘイローの4x5のクロス、オークス馬シンハライトはヘイロー3x4にノーザンダンサー5x5のクロス、ダービー馬マカヒキがヘイロー3x5にノーザンダンサー5x5のクロス、ダービー2着のサトノダイヤモンドがヘイロー3x5x4、ノーザンダンサー5x5x5のクロス、重賞3つも勝っているスマートオーディンもヘイロー4x4のクロスと、各馬ヘイローのクロスを持っているのが特徴的です。

今年の新潟2歳ステークスは、2013年にハープスター、イスラボニータで決着したレースと同じ1000mの通過タイムで流れ、勝ちタイムは当時と馬場の違いもあるでしょうがそのときより0.2秒速い時計での決着でした。ハープスターや昨年のロードクエストのような派手な勝ち方とは異なり3番人気での着差1馬身1/4差での勝利でしたから自己主張という面ではやや弱いものの、それでもいまトレンドのヘイローのクロスを持つ背景を含め、ヴゼットジョリーは今後も注目したい1頭となりました。

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