きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

リゾート競馬

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日本では相変わらず猛暑日が続きますが、海の向こうフランスでは避暑地ドーヴィルを舞台に、7月下旬からおおむね1ヶ月間の優雅なリゾート競馬が繰り広げられています。前半のハイライトは牝馬のマイルG1ロートシルト賞、それを受けて今月16日には欧州マイル戦線の最高峰ジャックルマロワ賞がスタンバイしています。20年近く前、日本のタイキシャトルが勝ったレースです。そのとき3着に退けたケープクロスが後に名馬シーザスターズの父となり、日本ダービー馬ロジユニヴァースの母父となり、今年無敗の英ダービー馬ゴールデンホルンを送っているのは何だか夢のような気分です。競馬というのは、こういうドラマが紡がれていくから何百年も人々の心を掴み続けてきたんでしょうね。

さて、前哨戦ともいうべきロートシルト賞。英語読みすればロスチャイルド賞となりますが、いかにもお金持ちたちが集うリゾート競馬にふさわしい名物レースです。かつては女帝ゴルディコヴァが前人未到の4連覇を成し遂げ、吉田照哉さんの愛馬イルーシヴケイトも連覇を果たしています。今年はアメージングマリアという4歳の上がり馬がイギリスのファルマスSに続いてG1連勝、一躍ヒロインの座に昇りつめました。デインヒル系のマスタークラフツマンの娘ですが、この新顔種牡馬はザグレイギャッツビーを出すなどマイルから2000mくらいで良い仕事をしています。別格ガリレオは置くとして、ドバウィ、ケープクロス、オアシスドリームなどスピードのある中距離型として後継の座を射止めるかもしれません。

直線1600mの真夏の大一番ジャックルマロワ賞ですが、7月末の前走イギリスのマイル最高峰サセックスSを勝って目下8連勝中、G1を4連勝の王者ソロウが、フランス調教馬でありながら例によってせん馬オフのため出られません。中2週のローテーションにも無理があるのですが、馬には気の毒ですし、ファンにとってはガッカリです。明日は王者ソロウのいないジャックルマロワ賞を少し展望してみたいと思います。

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