きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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先週この欄でご紹介した英愛古馬G1シリーズ開幕のロッキンジS、期待したディープインパクト産駒ビューティーパーラーは直前に出走回避、セシル調教師は硬い馬場を嫌ったようです。欧米競馬はこれがあるから予想も馬券も難しい。

で、今週は日曜の愛G1タタソールズゴールドCが注目です。昨年、ニジンスキー以来40年ぶりの三冠成るかと世界が固唾を飲んだキャメロットが出走してきます。結局、セントレジャー2着で夢は散ったのですが、今年はG3ムーアズブリッジS10Fを楽勝してここへ。英愛ダービーを勝っているキャメロットですが、本領は10Fとエイダン・オブライエン師は考えているのでしょう。

長い間2400mがチャンピオンディスタンスと呼ばれてきました。この距離で各国の最強馬決定戦が行われ、その最高峰である凱旋門賞が尊敬を集めてきた理由です。しかし昨年の世界最高レイティングを獲得したレースは、10Fの英チャンピオンSでした。フランケルの出走ということも大きく影響しているのでしょうが、水面下では世界の趨勢が10F路線に傾きつつある気もしています。マイルのチャンピオンと12Fの王者が10Fで激突、真の最強馬を決めるというような構図です。

事実、イギリス・アイルランドエリアではすべてのベクトルが10月中旬の英チャンピオンSに収斂するよう設計されています。タタソールズゴールドC、プリンスオブウェールズS、エクリプスS、インターナショナルS、愛チャピオンSとシーズンを通じて10Fの古馬G1がプログラムされていますね。英愛にとどまらずフランスなどからも頂上戦をめざす馬は多く、一昨年はフランスのシュリスデゼーグルが王座に輝きました。

日本では10Fの古馬G1は天皇賞秋の1レースだけ。世界で戦うためには、この分野の充実が必要とされます。施行時期、開催場所など難しい問題は多いのですが、手遅れにならないうちに取り組まないと。

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