きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

日本スプリント界の現在地

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昨日お話しした香港のエイブルフレンドとデザインズオンローム、この両馬を東西の横綱格とすれば、来週の高松宮記念に来日しているエアロヴェロシティは大関クラスでしょうか。南半球流では6歳、ちょっと遅咲きというか初G1が昨暮の香港スプリント、そこでロードカナロアに2年連続持っていかれていたタイトルを奪回したのは立派でした。

ロンジンのワールドランキングで見ると、ブラックキャビアが130ポンド、ロードカナロアが128ポンドと高い評価を受けていた一頃に比べると相対的に地盤沈下傾向にあり、現在の世界チャンピオンは123ポンドでオーストラリアのランカンルピーという馬です。豪州勢の上位独占は相変わらずですが、それに次ぐ第二勢力がチーム香港。120ポンドのお馴染みラッキーナイン、それを119ポンドで追うエアロヴェロシティという構図です。ちなみに日本馬トップのレーティングを得ているのは、コパノリチャード117ポンドですから少し差があります。対象レースが極端な道悪だった昨年の高松宮記念で暫定評価という感じなのでしょうか。レーティングで勝負が決まるわけじゃありませんが、こんなところが世界の勢力図になっているようです。

香港馬が良く遠征に出かけるシンガポールのクランジ競馬場は中京と同じ左回りですが、地元のシャティン、ハッピーバレーはともに右回りで、コース形態やホームの利は日本馬にありそうです。ちなみにエアロヴェロシティはニュージーランドでのデビュー戦以外はすべてシャティンで走っています。ただ距離の1200mは7-2-1-1というスペシャリストです。日本スプリント陣が世界的にどんなポジションにあるのか、それを検証する意味でも興味深い一戦と言えるのではないでしょうか。

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