きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ブランド買い

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ドバイ、オーストラリア、香港、ロイヤルアスコットと有力日本馬の海外遠征プランが続々と発表されています。もうこの流れは止まらないのでしょうね。というのも海外の有能なプロモーター(主催者)が競馬をより魅力のあるものにしようと次々と新機軸を打ち出しているからです。その開催のブランド価値を高めてスポンサーを獲得し賞金を高額化、世界の一流馬を根こそぎ集結させようという戦略です。

イギリスでは6月の第1週にエプソム競馬場でオークス、ダービーが開催され最初の盛り上がりを見せます。この興行にはトライアル段階から金融会社のインヴェスティックが協賛し、ダービーのプライドにふさわしい賞金を提供するとともに壮大なイベントに協賛を惜しみません。ダービーの興奮が残る6月中旬はロイヤルアスコット開催で華やぎも一段と増します。

そしてイギリスでもっとも美しい季節とされる7月下旬からの5日間はグロリアス・グッドウッドと呼ばれる伝統の開催が待っています。この期間のグッドウッド競馬場は、20世紀初頭の国王エドワード7世が『競馬で彩られた園遊会』と表現したロイヤルアスコットにも匹敵するグロリアスな(光輝ある)社交場と化します。メインレースはマイルの頂上決定戦G1サセックスS。フランケルは2年連続、去年の年度代表馬キングマンもチャピオンホースは皆んなこのレースを走っています。G2ながら2マイルの長距離を駆けるグッドウッドCも伝統ある人気番組です。

この壮麗なグロリアス・グッドウッドにスポンサーが名乗りを上げました。凱旋門賞やキングジョージなど大レースのパトロンとして有名なカタールです。イギリスとアイルランドのチャンピオンズデーもバックアップしていますから、ヨーロッパの競馬はカタールの存在抜きに語れない状況になっています。いずれ遠からず、世界最高賞金レースがドーハで開催される日が来るのかもしれません。

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