きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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《オールウェザーショック》といっていいのでしょうか。08年に史上初めてオールウェザーでブリーダーズCが行われたカルフォルニアのサンタアニタ競馬場での出来事です。頂点であるクラシックには強豪12頭が出走してきましたが、誰もが前年の勝者カーリンの連覇を疑っていませんでした。

しかしレースはイギリスのマイル路線を走り、クイーンエリザベス2世Sを勝ったレイヴンパスが抜け出し、2着もそのライバルとして君臨したヘンリーザナヴィゲーター、カーリンはスミス騎手、シレフス調教師のゼニヤッタコンビが送り込んだティアゴにも届かず4着でした。

馬主のジェス・ジャクソンさんは大のオールウェザー嫌いになり、同じく所有していたレイチェルアレクサンドラがオールウェザーのレースに出ることを拒み続けました。ゼニヤッタとの“世紀の対決”が流れた背景だそうです。

レイヴンパスとヘンリーザナヴィゲーターは皮肉にもアメリカ産馬。しかもアメリカが誇るミスタープロスペクター系の血統です。このミスプロ系が妙にオールウェザーを走るんですね。“オールウェザーの女王”ゼニヤッタが代表的なのですが、昨年のドバイワールドCの覇者グロリアデカンペオンもそうでした。地元ゴドルフィンの所有馬にもミスプロ系は多くいて、今年のUAE2000ギニーのスプラッシュポイントもそうです。

オールウェザーはヨーロッパ馬が良く走ると言われます。まだデータが少なくなんとも言えない面もあるのですが、ヨーロッパで調教され、ヨーロッパの馬場の走法を会得した馬がオールウェザーに適性を示しているということでしょうか。その点からいうとヨーロッパのレースを経験していて、母父にミスプロ系マキャヴェリアンのヴィクトワールピサが何となく楽しみになってきたりもします。

さて、今日3日はマクトゥームチャレンジ・ラウンド3、昨年、レッドディザイアが世界をアッと言わせたレースです。ドバイワールドCもいよいよ最後の直線に差し掛かっています。

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