きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ナカヤマフェスタの和泉信一オーナーにお話を聞いたとき、《馬主って誤解を恐れないで言ってしまえば、それぞれの時代時代でいちばん儲けた者っていうか、成功した人がやるんですよねぇ、だいたいは。だから時代を映す鏡みたいな具合になって面白いんですよ》というような意味のことをおっしゃっていました。競馬場の馬主席にはサクセスストーリーが詰まっている、そこが世の中の最先端かも、ということでしょうか。

可分所得というか遊んでいて自由になるお金の範囲内で競馬を楽しんでいるのが大方の実情でしょう。うらやましいお話ですが、そうでなければ長続きしません。世の中の動きで裁量の範囲が広がったり狭まったりしますが、全体のバランスでいえば“勝ち組”の集まりですから、好不況の影響を受けにくい世界だとも言えます。

セリ市なんかでも不景気で売上が落ちたなんて話を聞きますが、原因はもっと別のところにあると指摘する人も少なくありません。市場の仕組みとか運営の透明性とか、馬主の購買モチベーションにかかわる問題です。欧米でもこういう問題は少なからずあるようです。

きのう中山で行われたブリーズアップセール、例年よりいささか低調に流れたようです。大震災を慮(おもんばか)る気持ちも働いたのでしょう。でも、問題はそればかりではないような気もします。

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