きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

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セレクトセール初日の1歳馬セリが好況のうちに終了しました。売上47億円あまりは1歳馬セリの史上最高らしいですね。大震災の影響とか、魅力的な新種牡馬がイマイチいないとか、いろいろとネガティブな情報も流れましたが、日本競馬界の底力を見せてくれて良かったと思います。

ご承知のように父ディープインパクト、母エアグルーヴの牝駒が3億6000万円で競り落とされ一番の高額馬になりました。長女アドマイヤグルーヴに始まってフォゲッタブル、ルーラーシップと続く一族は重賞だけで10勝を上げています。血統も凄いのですが、この仔が背負っている夢も大きいですね。

すぐ上の全姉グルヴェイグが今年のオークスに負けてしまったので、祖母ダイナカール、母エアグルーヴと続くオークス3代制覇の夢は、この仔がデビュー前にして引き継ぐことになりました。デビュー前に目標レースが明確に決まってしまうという点では、兄ジャジル、姉ラグサトゥリッチズに続くベルモントS制覇を宿命づけられたカジノドライヴのケースに似ていますが、あのときはアメリカ中が大盛り上がりでした。大きな夢があってこその競馬興隆なんですね。

『エアグルーヴの2010』はセレクトセールで話題になることで、その夢のありかがファンみんなのものになりました。馬主さんや調教師さんのプレッシャーは大変でしょうね。ジョッキーも平常心で乗るのは難しそうです。でも、再来年のオークスがとんでもなく盛り上がりそうです。父が果たせなかった凱旋門賞制覇なんてプランもいいですね。大きな夢がファンを繋ぎ国民の共感を呼ぶような、ぜひ日本の競馬を熱くするヒロインに育ってください。

セレクトセールをはじめとする競り市が、こうした夢を見させてくれる場である以上、競馬はどんどん素晴らしくなっていくと思います。今日の当歳セリ、どんな夢を見せてくれるのでしょうか。

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2022