きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  菊花賞

10月27日は、永島 まなみ 騎手、安達 昭夫 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週はクラシック最終戦の菊花賞(GI)が行われました。3000mという未知の長距離で繰り広げられる決戦。競馬の格言では「最も強い馬が勝つ」とされる菊花賞。今年の最も強い馬はアスクビクターモアでした。覆面歌人の京雅さんからは、この菊花賞の和歌が届きました。和歌(沓冠)に隠れたメッセージを読み解き、お楽しみください。

菊花賞 京雅

早いまあ
ルート先行き
長い坂
見事菊冠
ダッシュ完璧

隠れたメッセージは「はるなみだ あきかんき → 春涙 秋歓喜」です。
早()いまあ(
ル()ート先行き(
長()い坂(
見()事菊冠(
ダ()ッシュ完璧(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
阪神競馬場に集結した18頭。今年は皐月賞馬、ダービー馬共に不在の中行われる混戦の菊花賞というのが戦前の見方。その混戦を制したのはクラシック皆勤賞で出走しているアスクビクターモアでした。
セイウンハーデスが刻む速いラップにファンがどよめく中、これをみる2番手で折り合ったアスクビクターモア。ロスのないルートを先行策で進めると、4コーナーでセイウンハーデスを捕えて先頭へ。阪神の長い坂に入ってから追い出し、ダッシュ完璧。ゴール直前でボルドグフーシュが迫りますが、ハナ差凌ぎ切って1着でゴール板を駆け抜けました。
春は皐月賞5着、日本ダービー3着と涙を呑んだアスクビクターモアですが、秋は菊花賞で歓喜の涙となりました。電光掲示板に映し出されたレコードと3.02.4秒という文字は、皐月賞馬、日本ダービー馬が不在ではありましたが、この勝利がフロックでないことを裏付けることとなるでしょう。

秋の東京開催も早くも折り返しが見えており、今週末は天皇賞(秋)が行われます。今年は注目の3歳勢とシャフリヤールをなどの古馬勢の激突が焦点となりそうです。来週は、この天皇賞(秋)の和歌をお届けいたしますので、ご期待ください。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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