きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 七夕賞

先週は福島競馬場でGIII・七夕賞が、小倉競馬場ではGIII・プロキオンステークスが行われました。夏の福島の風物詩として名高いレースの七夕賞はルーラーシップ産駒のエヒトが重賞初制覇を成し遂げ、七夕の願い(夢)を叶えました。覆面歌人の京雅さんからは、この七夕賞の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

七夕賞 京雅

耐えて燃ゆ
なんと外攻め
抜群か
ターフ見事な
出来た完勝

隠れたメッセージは「たなばたで ゆめかなう → 七夕で 夢叶う」です。
耐()えて燃ゆ(
な()んと外攻め(
抜()群か(
タ()ーフ見事な(
出()来た完勝(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
ロザムール、トーラスジェミニが淀みなくレースを引っ張る展開で、前半の1000mを58.5秒で通過。エヒトは先行集団、馬場の外目を手応え抜群で折り合います。
4コーナーで、先頭から最後尾までの馬群がギュッと詰まる中、持ったまま外目からポジションを上げるエヒト。直線入り口では早くも先頭に並びかけ、芝の真ん中あたりを気持ち良さそうに1頭抜け出すと1番人気のヒートオンビートに2馬身半差をつけてレースレコードで完勝。七夕の短冊に「初重賞制覇」と記したであろうエヒトが見事にそれを叶えました。

エヒトの鞍上はベテランの田中勝春騎手。この勝利で、七夕賞は3勝目と得意にしているレースでした。勝利騎手インタビューでは「久しぶりだな、これ(インタビュー)。」と笑顔で答えていました。

さて、今週末で6週間続いた函館開催もラストウィーク。土曜日はJRAで最も早く行われる2歳馬重賞のGIII・函館2歳ステークスが、日曜日には函館伝統レースのGIII・函館記念が行われますので、是非、最終週の函館を満喫してください!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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