きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) エプソムカップ

先週は夏競馬の到来を告げるエプソムカップ(GIII)と函館スプリントステークス(GIII)が行われました。東京競馬場で行われたエプソムカップでは当協会所属の井山登オーナーがノースブリッジで嬉しい重賞初制覇を達成しました。覆面歌人の京雅さんからは、このエプソムカップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

エプソムカップ 京雅

厳しさに
耐え速度上げ
伸び素敵
ハナ抜け出でり
しめたクビ差だ

隠れたメッセージは「きたのはし にげきりだ → 北の橋(ノースブリッジ) 逃げ切りだ」です。
厳()しさに(
耐()え速度上げ(
伸()び素敵(
ハ()ナ抜け出でり(
し()めたクビ差だ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
前走は逃げる競馬で勝利を収めましたが、今回は他馬をいかせて3番手に。我慢を効かせたい向正面、3〜4コーナーでしっかりと耐えて折り合いをつけると直線で加速。早めに逃げ馬を捕らえると、しぶとく良い伸び脚を見せ、迫る後続を振り切りクビ差での勝利を収めました。
「一週前の感触では調子がどうかと思いましたが、その後の一週間で厩舎の力を見せてくれました。今日の長い直線も食いしばって頑張ってくれましたし、これから一緒に上を目指せる馬です。」と、鞍上の岩田康誠騎手が語っていたように、厳しい状態から厩舎関係者一丸となって仕上げた末の勝利。
ノースブリッジ=直訳すると「北の橋」。直線での必死の逃げ粘りは、次なる飛躍に繋がる走りとなるでしょう。

函館で行われた函館スプリントステークスは3歳牝馬のナムラクレアが勝利。サマースプリントシリーズを一歩リードしました。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。


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