きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 朝日杯フューチュリティステークス

12月23日は、上野 翔 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
阪神のマイル戦で行われる2歳のスピード王決定戦・朝日杯フューチュリティステークス。今年デビューのスピード自慢が集まった中、このレースを制したのは名手・武豊騎手鞍上のドウデュースでした。覆面歌人の京雅さんからはこの朝日杯フューチュリティステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてお楽しみください。(メッセージの答えは最後に)

朝日杯フューチュリティステークス 京雅

あまた勝つ
最後の願い
秘めハナに
激しく競ると
一気抜き去る

隠れたメッセージは「あさひはい ついにとる → 朝日杯 遂に取る」です。
あ()また勝つ(
最()後の願い(
秘()めハナに(
激()しく競ると(
一()気抜き去る(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
快速自慢の若駒が阪神に集った朝日杯フューチュリティステークス。今年の2歳の快速王に輝いたのは武豊騎手を背に駆け抜けたハーツクライ産駒のドウデュースでした。道中は隊列の中団外目で末脚を温存し、いつでも抜け出せるポジションをキープ。阪神の長い直線で大外に持ち出すと、先に抜け出す1番人気のセリフォスとの激しい競り合いを制してドウデュースが一気に抜け去ったところがゴール板でした。
鞍上の武豊騎手は誰もが知る日本の名騎手。デビュー2年目にして菊花賞を制し、その後も数々のGIを制してきた武豊騎手が成しえていない国内の最後の偉業といっても過言でないことが、今回の朝日杯フューチュリティステークスと近年GIに昇格したホープフルステークスを優勝することで達成できる国内GI全制覇でしょう。レース後「ついに・・・うれしいですね」と語っていたように22回目の挑戦、そして、そのうち5回の2着とあと一歩の悔しさを味わった朝日杯フューチュリティステークスの優勝を純粋に喜んでいるように感じました。国内GI全制覇の偉業はホープフルステークスのみ。早ければ、年内に歓喜の瞬間が訪れることになりそうです。

”朝日杯 遂に取る”は武豊騎手のみならずオーナーもでしょう。(株)キーファーズ代表の松島正明オーナーは、今年のジャパンカップにも参戦したジャパンなどの馬主としても知られ、海外GI制覇もしていますが、国内のGIは未勝利。「武豊騎手で凱旋門賞を勝つこと」を目標に掲げるほど武豊騎手との親交が厚く、武豊騎手の偉業に近づく優勝と自身の国内初GI制覇が重なった朝日杯フューチュリティステークスの勝利は格別だったのではないでしょうか。

さて、今週はいよいよ令和3年の競馬の締めくくり有馬記念です。天皇賞秋を制したエフフォーリア、グランプリ3連覇中のクロノジェネシス、菊花賞馬タイトルホルダーなど豪華メンバーが集結。今年の競馬も競馬のお祭り有馬記念で盛り上がりましょう!!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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