きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) オールカマー

9月30日は、小西 一男 調教師、南田 美知雄 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は中山競馬場でオールカマー(GII)、中京競馬場で神戸新聞杯(GII)が行われました。覆面歌人の京雅さんからは中山競馬場で行われたオールカマーの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてお楽しみください。(メッセージの答えは最後に)

オールカマー 京雅

何故なのだ
かの馬強い
やれ行けと
負けず中突く
破竹の勢い

隠れたメッセージは「なかやまは だいとくい → 中山は 大得意」です。
何()故なのだ(
か()の馬強い(
や()れ行けと(
負()けず中突く(
破()竹の勢い(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
中山競馬場・秋の伝統の重賞オールカマーは今年で67回目となりました。優勝したのはウインマリリン。
勝負所で横山武史騎手が「狙ったスペースに入れず」と語っていたとおり、前が塞がるピンチとなり“何故”と思った瞬間もありましたが、ここからがこの馬の強いところ。春にも、牡馬との戦いとなった日経賞(GII)を制したように、不屈の闘志で“やれ行け”と、負けずに馬群の中を切り裂きました。「馬の力で勝てた」と鞍上のコメントが示すように、負けん気の強い乙女が牡馬相手に重賞3勝目を手にしました。この後は、エリザベス女王杯(GI)に向かうとのこと。昨年は秋華賞の大敗から立て直すも4着。今年はオールカマーを制した破竹の勢いで昨年のリベンジを狙います。

隠れたメッセージにあるように、ウインマリリンは中山巧者。全5勝中、中山で4勝を挙げています。春の天皇賞後に右肘の手術をしましたが、その影響も感じさせない走り。管理する手塚貴久調教師いわく「阪神2200mはベスト」の本番のエリザベス女王杯へ駒を進めますが、中山巧者っぷりを見ると、暮れの有馬記念(GI)への出走も期待してしまうところです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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