きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2021.10.1

凱旋門賞の新しい見どころ

10月1日は、 戸田 博文 調教師、茶木 太樹 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

いよいよ“第100回対決”の記念すべき凱旋門賞が、すぐそこに迫って来ました。気になるパリのお天気は、今日から日曜にかけて雨予報となっているようです。残念ながら、今年もロンシャン名物の道悪競馬が避けられそうにもありません。しかしクロノジェネシス、ディープポンドの“日の丸代表”は重い馬場は、むしろ歓迎の口のようですし、ヨーロッパの有力馬たちも多くは道悪でポテンシャルを最大化するタイプのようです。乾いた良馬場でやりたいのは、去年も道悪を嫌って回避したエイダン・オブライエン厩舎のラヴくらいなものでしょうか?

さらに今年は“第100回”のメモリアル開催ということもあって、今回も有力馬の一角を占めるハリケーンレーンが6馬身ちぎって圧勝したG1パリ大賞が行われた7月中旬から凱旋門賞デー当日の3日朝まで芝が生育盛んな夏の2カ月半の間、600mに及ぶ直線内側6mの通称「ストレッチコース」を全面閉鎖して保護、雨が降っても浸透性を維持して水はけの良い馬場を提供できる準備を進めて来ました。このパリロンシャン競馬場の馬場整備チームの努力が無事に実を結ぶなら、凱旋門賞の道中の駆け引きや勝負どころに微妙な影響を与えそうです。4コーナーを回るあたりから馬場の良い幅6mのストレッチに潜む最良のコースを狙って各馬が殺到する位置の取り合いが、例年以上に激しさを増すはずです。

4コーナーでの位置どりバトルは、以前から凱旋門賞の重要な見どころの一つでした。馬が備えている俊敏性とか機動性に加えて、鞍上の判断力と操縦能力が勝負を左右します。馬群を切り裂くようにインを抜けて来た“生涯不敗の女王”ザルカヴァとクリストフ・スミヨン騎手のファンタジックなドラマ、日本ファンの多くが勝利を確信したスミヨン騎手のオルフェーヴルに内から忍び寄り一瞬で差し切ったソレミアとオリビエ・ペリエ騎手の魔法のような逆転劇、あんな夢のような(ときに悪夢のような)光景が見られるのではと楽しみにしています。ペリエ騎手はトライアルのG1ヴェルメイユ賞でティオとのコンビでスノーフォールを破る“世紀の”ジャイアントキリング(大物喰い)を果たしたのですが、相棒の回避で姿が見られないのは残念です。スミヨン騎手はザルカヴァ同様にアガ・カーン殿下のタルナワとのタッグで殿下を喜ばせようとヤル気満々のようです。あと見落とせないのが、ティオナに寝首をかかれる不覚を取ったスノーフォールが、全馬の中で唯一55㌔に恵まれました。鞍上ライアン・ムーアは、緻密にして果敢な名打ての“バトル名人”です。道悪適性も英オークス16馬身半ブッチギリ爆走は、もはや“鬼の領域”でしょう。ディープインパクトの血の戴冠が外国調教馬というのも皮肉ですが、これもこの先に待っている壮大な血統ドラマのほんの序章と思えば、日本人ファンも十分に納得できますね。