きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 東京優駿・日本ダービー

6月3日は、石神深一 騎手、須貝尚介 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は約7000頭の世代チャンピオンを決める東京優駿・日本ダービーが行われました。7000頭から出走17頭まで絞り込まれ、この精鋭の中から頂点に立ったのは毎日杯をレコードで駆け抜け、日本ダービーに挑戦してきたシャフリヤールでした。覆面歌人の京雅さんからは、このオークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

日本ダービー 京雅

華やいだ
名だたるスター
さあ並び
来た見てパワー
伸びて差すのだ

隠れたメッセージは「はなさきの だーびーだ → ハナ先の ダービーだ」です。
華()やいだ(
名()だたるスター(
さ()あ並び(
来()た見てパワー(
伸()びて差すのだ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
選び抜かれたものだけが出走を許される日本ダービー。重賞馬多数の牡馬たちに1頭の牝馬も挑戦した華やかなメンバー。皐月賞馬のエフフォーリアが人気を集め、また騎手では戦後最年少でのダービー制覇の記録のかかる横山武史騎手のほか、ダービー最多勝記録の武豊、リーディング首位のC.ルメール騎手、連覇のかかる福永祐一騎手なと、人馬ともに名だたるスターが集結しました。
結果は皆様ご存知のとおり、先に抜けだした皐月賞馬のエフフォーリアに、力強いパワーと鋭い切れ味でシャフリヤールがインから並びかけ、2頭の壮絶な叩き合いの末、ハナ差でシャフリヤールか約7000頭の頂点に立ちました。
敗れたエフフォーリアの鞍上・横山武史騎手は「決め手で負けてしまった」と伸びて差したシャフリヤールの末脚を称えました。
一方で、シャフリヤールの福永祐一騎手馬「(自身が初めてダービーを制した)ワグネリアンの自信と経験が生きた」とコメント。
ほんのわずかハナ先の差が、馬・騎手など様々な明暗を分けた今年の日本ダービー。それだけ素晴らしい決戦であった、と言えるでしょう。

2400mという距離を駆け抜けた差がほんの数10センチ。競馬の醍醐味と厳しさ、ドラマを感じさせる第88回東京優駿・日本ダービーでした。
さて、今週は東京、春のGⅠシリーズの締めくくり安田記念です。また来週も京雅さんの和歌をお届けしますので、お楽しみに!


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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