きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

実力!?それとも運!?東京優駿・日本ダービー

5月29日は、平田修 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

「もっとも運のある馬が勝つ」・・・日曜日に行われる東京優駿・日本ダービー(GI)にはこのような格言があるのをご存じでしょうか。同じクラシック競走の皐月賞(GI)は「最も速い馬が勝つ」、菊花賞(GI)は「最も強い馬が勝つ」と言われるのに対して、ダービーは運!?と疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、そこには決して実力だけでない”何か”の要素も味方しなければ日本ダービーを制することはできないという難しさを含んでいる、ということでしょう。その何かは、枠順、展開、天候・・・様々な想像ができますが、実力に加えて、この運を手に、今年の日本ダービーを先頭で駆け抜けるのはどの馬でしょうか。

今年の「最も速い馬」に輝いたのは、無敗で皐月賞を制したエフフォーリア。コンビを組む横山武史騎手は皐月賞で初GI制覇と、人馬ともに最も勢いがあるのは間違いないでしょう。横山武史騎手が優勝した場合は、グレード制導入以後で騎手の最年少ダービー優勝記録を更新します。
7年ぶりの牝馬の日本ダービー参戦で話題を集めているのはサトノレイナス。2歳時の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)、そして前走の桜花賞(GI)ともに、ライバル馬ソダシの前に苦汁をなめる結果となりましたが、その非凡な才能を疑わなかった陣営は日本ダービーに駒を進めてきました。オーナーの(株)サトミホースカンパニー様は「牝馬挑戦が想像以上に注目をいただいていて驚いておりますが、調教師からも最高の仕上がりだと聞いておりますので楽しみです。外枠16番が気になるところですが、その点はルメール騎手が何とかやってくれるでしょう。万全を期して走ってくれれば良い結果が出てくれると期待しております」と愛馬について語ってくださいました。
皐月賞では3コーナーから先頭に立ち2着に粘ったタイトルホルダーも忘れてはいけない存在。弥生賞(GII)では逃げて自らペースを作り優勝しており、相手の出方次第では逃げることも予想されます。オーナーの山田弘様は「初めての日本ダービー出走。出走できることに喜びを感じ、ここまで馬を仕上げていただいた関係者に感謝しかありません。レースは先行し進めると思いますが、いつも通りの走りを願っています」とお話いただきました。

かつて、競馬好きで自らも競走馬を所有したイギリスの宰相ウィンストン・チャーチルは「ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相となるよりも難しい」と語りました。この言葉にも、やはり実力以上の“何か”が必要であることを想像させます。
実力と運。両方を手に日本ダービーという頂に立つ馬を、しかと見届けましょう。

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