きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 根岸ステークス

2月4日は、酒井 学 騎手、鮫島 良太 騎手、亀田 温心 騎手、高野 友和 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週より冬の東京開催が始まりました。関東ではおよそ2カ月ぶりの東京・左回りでの開催のため、左回りを得意とする馬たちが“待ってました!”とばかりに、GI戦線に向けて賞金を加算しようと出走してきます。覆面歌人の京雅さんからは、今年初のGIフェブラリーステークスの前哨戦、根岸ステークス(GIII)の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

根岸ステークス 京雅

日々走る
やる気で励むぜ
苦労みる
競い勝つ様
しかと感動

隠れたメッセージは「ひやくきし るぜるまう → 飛躍期し ルゼル舞う」です。
日()々走る(
や()る気で励むぜ(
苦()労みる(
競()い勝つ様(
し()かと感動(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
GI・フェブラリーステークスへの登竜門、根岸ステークス(GIII)。この重賞を優勝して飛躍した名馬が過去にはたくさんいます。今年は、地方所属ながら昨年のJBCスプリント(JpnI)を制したサブノジュニアを含めた精鋭16頭が集結しました。
GI馬もいるなか、優勝したのは15戦中1番人気12回、2番人気3回ながら意外にも、今回が初の重賞制覇となったレッドルゼルでした。
昨年は春夏秋冬と一年間走り続けたレッドルゼルですが、初の戴冠に向けてやる気満々で日々の調教に励みました。過去2回の重賞では、1番人気に支持されるも8着と2着。苦労を重ねてきた本馬が、令和3年の初戦に選んだのは、この根岸ステークス。左回りは1勝2着2回と連帯率100%の得意舞台です。
道中は中団で待機したレッドルゼル。直線はなかなか前が開かずに、進路を探しながら追走していましたが、馬群の開いたスペースに飛び込むと力強く坂を駆け上がります。最後は、大外から強襲したワンダーリーデルと差し脚の比べ合いをアタマ差、競い勝つ様は、ここまでの苦労の過程も思い浮かび“しかと感動”でした。

根岸ステークスを制したレッドルゼルですが、これまでの戦績は1400mまでに集中。鞍上の川田将雅騎手は「次に繋がる競馬をした」とのコメントもあり、次走のフェブラリーステークスで距離の壁を破れるか注目です。さらに、レッドルゼルはドバイゴールデンシャヒーン(GI)にも登録があり、出走するか否かは未定ですが、日本、世界へと飛躍を期する勝利となり、レッドルゼルが大舞台で舞う姿に期待です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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