きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) マイルチャンピオンシップ

11月26日は、浅野 洋一郎 調教師、中竹 和也 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は秋のマイル王決定戦・マイルチャンピオンシップ(GI)が行われました。スプリント王にも輝いたグランアレグリアが春の安田記念(GI)に続く春秋マイルチャンピオンとスプリント王との2階級制覇を目指して出走してきました。覆面歌人の京雅さんからは、このマイルチャンピオンシップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

マイルチャンピオンシップ 京雅

待って読む
いい位置取りて
ルート開き
追う脚凄いな
馬は差し切り

隠れたメッセージは「まいるおう むてきなり → マイル王 無敵なり」です。
待()って読む(
い()い位置取りて(
ル()ート開き(
追()う脚凄いな(
馬()は差し切り(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
史上初めて阪神のマイル戦で行われた第37回マイルチャンピオンシップは、春のマイル王かつ現スプリント王でもある牝馬グランアレグリアVS三冠コントレイルのライバル馬サリオスという構図で、馬券もこの2頭から人気になっておりましたが、結果は皆さまもご存知のとおり、グランアレグリアが短距離~マイルの現役最強馬を決定的とするGI4勝目を挙げ、春秋マイル連覇、スプリント・マイルの2階級制覇を達成しました。
グランアレグリアは前走スプリンターズステークスでは行き脚がつかず後方から追い込む競馬でしたが、今回は好位につける競馬。鞍上のルメール騎手も他馬の脚色や展開を読み、いい位置取りで進路(ルート)が開くのをジッと待ちます。
直線に向いてもグランアレグリアの前には先行馬たちの壁がたちはだかりますが、焦らず我慢。ようやく外に出せたのは残り250m付近。遠方では既に昨年の覇者インディチャンプが抜け出していましたが、ここからグランアレグリアの豪脚一閃。物凄い“追う脚”を披露し、坂の上で一気に差し切りました。

グランアレグリアの走りに対して、インディチャンプで2着となった福永祐一騎手は「(インディチャンプは)100%の走り。グランアレグリアと同じ位置で競馬ができ、うまくブロックして踏み遅れさせることはできた。相手が一枚上。褒めるしかない」と、自身の馬が完璧なレースをしたにもかかわらず、その上を行った馬に脱帽のコメント。それだけ、グランアレグリアの強さが際立った一戦でした。

さて、今週末は競馬サークル、競馬ファンが大注目のジャパンカップ。デアリングタクト、コントレイル、アーモンドアイの3頭がぶつかります。乞うご期待ください。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

×