きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) ジャパンカップ

11月28日は、的場 勇人 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
先週は秋の東京競馬場締めくくりジャパンカップが行われ、年内の東京開催が終了いたしました。ジャパンカップを制したのは、昨年の大阪杯(GⅠ)以来のGⅠ制覇となったスワーヴリチャード。覆面歌人の京雅さんから、そのジャパンカップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

ジャパンカップ 京雅

不安無いな
追撃内を見
神技だ
強い馬です
疾走夢飾る

隠れたメッセージは「ふつかつし なみだする → 復活し 涙する」です。
不()安無いな(
追()撃内を見(
神()技だ(
強()い馬です(
疾()走夢飾る(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
第39回のジャパンカップは1番人気レイデオロで4倍以上の単勝オッズが付き、混戦模様とみられていました。その混戦を見事に突き抜けたのは、長い冬眠から目覚めたスワーヴリチャードでした。
戦前、オーナーの(株)NICKS様が「今年一番の出来」と語っていたように、状態面での不安はなし。また、この日は若き天才名手O.マーフィー騎手を背に、抜群の手応えで、道中は先団の内埒沿いで脚を溜めます。
直線半ば、前を行く逃げ馬の脚がいっぱいとなり、進路がなくなると思われた時、マーフィー騎手が逃げ馬を内から交わし、追撃開始。内埒いっぱいから抜け出す神騎乗で、食い下がるカレンブーケドールを振り切り、1年半以上遠ざかっていた勝ち星を手にしました。マーフィー騎手は昨年に初来日し、これがJRA・GI初制覇となり、「夢が叶った」とレース後にコメントを残しており、まさに、疾走し夢飾る、でした。

オーナー関係一同、スワーヴリチャードがゴール板を駆け抜けると同時に、歓喜の涙で溢れ、愛馬の復活とジャパンカップ制覇という夢が叶った瞬間でした。
成熟期を迎えた5歳秋に2つ目のタイトルを獲得。本当に強い馬です。次走は、暮れの祭典・有馬記念に、引き続きマーフィー騎手で出走予定とのこと。秋の古馬GⅠにすべて出走するタフさも凄いことで、ジャパンカップに続く好走を期待したいですね。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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